1997 Fiscal Year Annual Research Report
位相共役波を用いた三次元フォトリソグラフィに関する研究
Project/Area Number |
09875037
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 哲 大阪大学, 工学部, 助手 (30283724)
|
Keywords | 非積層立体形状創成 / 実時間ホログラフィ / 光造形 / 位相共役波 / 時間反転波 / BaTiO_3(チタン酸バリウム) / 光硬化性樹脂 / 自己励起型配置 |
Research Abstract |
本研究は,従来のフォトリソグラフィ技術と位相共役波を用いた実時間ホログラフィ技術を複合することにより,3次元微細構造を平面の積層を伴わずに一括して創成する手法の確立を目的とした基礎研究である.平成9年度は,ウレタンアクリレート系の可視光感光性樹脂を用いて,非積層立体形状創成基礎実験を行い,以下のような成果を得た. 1.波長488.0nmのレーザ光に対するBT(チタン酸バリウム)結晶の高効率位相共役光発振実験および最適BT結晶の選定:BT結晶を位相共役素子として用いる際,入射光の波長は結晶の光吸収の関係から,一般に,500nmより長い波長の光を用いる.しかし,本研究では,樹脂感度の波長依存性も考慮して,通常は用いられない波長488.0nmのレーザ光を用いることにした.そこで,まず,初めに波長488.0nmのレーザ光に対するBT結晶の位相共役光発振特性を調べた.その結果,波長514.5nmのレーザ光を用いる場合に比べて,約10%程度の効率の低下が認められたものの,樹脂を硬化させるのに十分な強度の位相共役光を発振可能(入射角度を最適化することにより,28.4%の発振効率を確認)なこと,また,スループットの点で重要なパラメータである立ち上がり時間は短縮できること,が実験的に確認された.次に,ドープ量,吸収率の異なる3種類のBT結晶を実験的に比較・検討して,本研究目的 最適なBT結晶の選定を行った. 2.自己励起型配置を用いた非積層硬化深さ制御基礎実験:元の波面を再現しながら伝搬する位相共役波の特性を活かして,従来のような積層を行わずに,樹脂の硬化深さを制御することが可能な自己励起型光造形光学系を構築し,樹脂の非積層硬化深さ制御実験を行った.その結果,0.5mmから1.5mmの範囲での非積層硬化深さ制御が可能であることを確認した.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 林照剛, 三好隆志, 高谷裕浩, 高橋哲: "位相共役素子を用いたホログラフィ光造形法に関する研究" 1997年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 神戸. 205-205 (1997)
-
[Publications] 林照剛, 三好隆志, 高谷裕浩, 高橋哲: "位相共役素子を用いたホログラフィ光造形法に関する研究(第2報)-像形成の基本原理-" 1998年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. 東京. (1998)