1997 Fiscal Year Annual Research Report
応力誘起変態を利用した微小領域表面損傷評価法の研究
Project/Area Number |
09875042
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久門 輝正 群馬大学, 工学部, 教授 (20029060)
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Keywords | Magnetic force / Scratching test / Austenitic stainless steel / Friction force / Diamond slider / Stress induced transformation / surface topography / worke hardening |
Research Abstract |
ディスク(SUS304)を1020℃で焼入れし,酸化膜を10%の塩酸により酸洗いで除去した.このディスクをダイヤモンド圧子(先端半径r=0.1mm,0.2mm,0.8mm)で垂直荷重0.5,1.0,1.5,2.0Nのもとで繰返し摩擦させた場合の塑性変形箇所の磁気力による変位量(鉄針の摩擦こん表面上1μmの位置での磁気力による変位量)を測定した.また,摩擦こんに垂直な断面曲線から摩擦こん断面積の形状変化と摩擦方向の断面曲線から微細条こんの形状変化から微少な塑性変形量を求め,繰返し接触回数に対する磁気力による変位量変化との対応関係を調べた.その結果,次のようなことが明らかになった. 1.荷重を変化させた場合,同じ繰り返し回数に対してWが大きくなるほど磁気力による変位量が大きくなる. 2.圧子の先端半径Rを変化させた場合,同じ繰り返し回数に対してもRが小さくなるほど磁力による変位量が大きくなる. 3.摩擦方向に垂直な摩擦こん断面積の増加とともに磁力による変位量が増大する.また,同じ摩擦こん断面積であれば,Rが小さい方が磁力による変位量が大きくなる. 4.摩擦方向の相対的な微細条こん平均断面積はWが大きいと減少し,磁力による変位量が増大する. 5.圧子の先端半径Rを変化させた場合,Rが小さい方がビッカース硬さHVの繰り返しによる上昇の度合いが大きくなる.また,同じ荷重ではRが小さいほど摩擦係数は大きくなる. 6.R=0.8mmの圧子でW=0.5Nのときのみヘルツの最大圧力Pmax/HVが1より小さくなり,弾性接触となる.なお,このときには初期の磁気力による変位量は小さいが,ある繰り返し回数になると急に大きくなる.その他の場合,Pmax/HV>1となり,最初の接触状態から塑性接触になる.
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