1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09875062
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
水野 毅 埼玉大学, 工学部, 助教授 (20134645)
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Keywords | 磁気浮上 / 磁気軸受 / 永久磁石 / 運動制御 / 圧電アクチュエータ / 位置決め制御 / I-PD制御 / 振動制御 |
Research Abstract |
(1)微小位置決め機能を備えた永久磁石反発形磁気浮上機構の設計・製作を行った.試作した装置では,永久磁石反発形磁気浮上機構の支持側磁石と接地面との間に圧電アクチュエータを挿入し,保持質量の垂直方向の並進運動を能動的に制御する.また,他の自由度の運動は機械的に拘束している.圧電アクチュエータは,ナノメータオーダの微小変位を得るのに適し,高速応答性に優れているが,機械的強度,特に引っ張り強度が低いという欠点を持っている.しかしながら,本機構では,荷重は圧縮方向へかかるので,かなりの高荷重まで支持できる. (2)試作した磁気浮上機構の基本特性の測定を行った.具体的には,永久磁石間に形成される磁場の分布を測定し,浮上力,浮上方向のばね定数などの基本パラメータを評価した. (3)制御システムの構築を行った.提案する永久磁石反発形磁気浮上磁気浮上機構は,浮上方向には安定であるので,吸引制御形磁気浮上と比較して,位置と振動の超精密制御を容易に実現できる可能性を持っている.この可能性を調べるため,渦電流型変位センサの信号に基づいて,I-PD制御系を構成した.この制御系では,積分動作によって定常偏差をなくし,比例・微分のフィードバック補償によって減衰特性の改善を行うことができる.すなわち,前者は位置の精密制御に,後者は振動の精密制御に有効である. (4)浮上機構の諸特性の測定を行った.制御系の設計パラメータを変化させて,保持・位置決め精度,負荷特性,減衰特性などの測定を行った.この結果,提案する磁気浮上機構によって,浮上方向の位置と振動の精密制御が実現できることが確認された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 水野・関口・荒木: "永久磁石の運動制御を利用した反発形磁気軸受機構の開発" 第9回「電磁力関連のダイナミクス」シンポジウム講演論文集. 509-510 (1997)
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[Publications] 水野・関口・荒木: "永久磁石の運動制御を利用した反発形磁気軸受機構の開発(第2報:制御方法の検討)" 第5回「運動と振動の制御」シンポジウム講演論文集. 235-238 (1997)