1997 Fiscal Year Annual Research Report
PROLOG言語を用いた地震前・中・後の一連の情報処理判断システムの開発
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09875107
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
川上 英二 埼玉大学, 工学部, 教授 (50125887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 秀則 埼玉大学, 工学部, 助手 (80261882)
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Keywords | ライフライン / 都市防災 / 地震 / 情報 / 応急対応 / プロローグ言語 / シミュレーション / 防災 |
Research Abstract |
阪神大震災の例を挙げるまでもなく、大地震後には、消火、救助および救急などの救援活動が妨害されることは明らかである。地震が発生した後に、実際状況に応じてこれらの活動を管理するのは困難であり、そのため応急対応も不充分となることは阪神大震災の教訓でもある。一般に防災計画では、震災状態を仮定して、公共機関の間の情報管理および情報伝送システムの構造を想定する。しかし、定性的な想定だけであることが多く、被害程度の定量的な想定および定量分析を行うことは非常に困難である。もし、定量想定を可能にし、それをもとに対策を立てることができれば、より有効に、確実に、速く応急対応を行うことができると考えた。 本研究では、地震後の被害および救援活動を定量的に想定するためのプログラムを、プロローグ言語を用いて開発した。そして、平常時には地震被害想定のプログラムとして機能したシステムが、地震中にはリアルタイム対応システムとなり、地震後には応急復旧のために役立つことを考えている。 本年度作成したプログラムの機能は以下の通りである。 1)応急対策活動を行う上で必要となる交通状態の想定を行った。地震後の道路の不通箇所を想定し、不通箇所が発生した状況の中で、使用できる交通路線を検討する。 2)火災、倒壊家屋および死傷者の発生など各種の地震後の状態を想定した地域を対象に、消防車、救急車、重機および消防員、警察官、救助員の救援活動の想定を行った。救援された人は、治療を受ける必要がある場合には、病院へ運んで治療を受けること、また消防員、救助員、警察官たちが互いに協力することも考えている。地域間の協力についても想定している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kawakami H. and Bidon P.: "A Simplified Input Output Relation Method Using AR Model for Earthquake Wave Propagation Analysis" Earthquake Engineering and Structural Dynamics. 26. 1041-1057 (1997)
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[Publications] 川上英二: "震度6で広域断水が発生するか?" 水道公論. 33・10. 28-30 (1997)
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[Publications] Haddadi H.R. and Kawakami H.: "Modeling Wave Propagation by Using Normalized Input-Output Minimization (NIOM) Method for Multiple Linear Systems" Journal of Structural Engineering and Earthquake Engineering. 584/I-42. 29-39 (1998)
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[Publications] 川上英二: "大地震に東京は耐えられるか" 潮. 460. 86-93 (1997)
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[Publications] Kawakami H.: "Seismic Vulnerability Assessment of Water Supply System in Tokyo" NCEER-INCEDE Center-to-Center Workshop on Water Lifelines. (印刷中). (1998)
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[Publications] Kawakami H. and Haddadi H.R.: "Modeling Wave Propagation by Using Normalized Input-Output Minimization (NIOM)" Soil Dynamics and Earthquake Engineering. (印刷中). (1998)
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[Publications] 川上英二(分担): "阪神・淡路大震災調査報告,上水道,2.3 施設の被害の事例" 土木学会,丸善, 520 (1997)
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[Publications] 川上英二(分担): "地震と都市ライフライン" 京大出版会, 483 (1998)