沖積層の形成過程・環境を考慮した地盤の非均質性の評価

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09875113
• Research Institution: Meijo University
• Principal Investigator: 板橋 一雄 名城大学, 理工学部, 教授 (30109269)
• Keywords: 地盤工学 / 非均質性 / 沖積層 / 堆積過程 / 堆積環境 / マルコフ解析 / 類似性評価

Research Abstract

地盤の非均質性のために、工学的な問題の生じることがある。特に、最近の約2万年間にできた沖積層とその基底礫層に関しては、それらの地層に関わる建設活動が盛んなことも相まって、種々の問題が生じる。例えば、不連続な基底礫層やその層厚の変化によって杭基礎の支持力が不足すること、沖積粘性土内に連続する薄い砂層の存在によって圧密沈下速度の予測が間違うこと、沖積砂層内の薄く連続した粘性土層の存在によって透水性が阻害されること、などの例が考えられる。
こうした工学的問題が生起する最大の原因は、そこで利用される地盤の不均質性の評価が難しいことである。そこで、本研究では、地盤の成層構造の複雑さを評価するために、
(1) 土質柱状図の類似性評価方法の提案
(2) 地層の成層性を評価する方法の提案
(3) 地盤の生成過程を把握するための理学的情報の整理
(4) 理学的情報のある地域の土質試験結果の深度分布特性の整理
を行ってきた。

Research Products

• [Publications] 船木秀策・板橋一雄 他: "濃尾平野南部の土質柱状図のマルコフ解析と赤池情報量規準に基づく類似性評価" 理学・工学情報が臨海平野の地盤解釈に果たす役割に関するシンポジウム発表論文集. 103-110 (1998)
• [Publications] 板橋一雄・金田正孝 他: "名古屋港西地区の土質試験データの深度変化と堆積環境" 理学・工学情報が臨海平野の地盤解釈に果たす役割に関するシンポジウム発表論文集. 117-124 (1998)
• [Publications] 吉村優治・板橋一雄 他: "濃尾平野南部地盤の液性限界・塑性限界の変動に関する一考察" 理学・工学情報が臨海平野の地盤解釈に果たす役割に関するシンポジウム発表論文集. 111-116 (1998)
• [Publications] 船木秀策・板橋一雄 他: "濃尾平野南部の地盤の成層比率による複雑性評価" 土木学会中部支部平成10年度研究発表会. 275-276 (1999)
• [Publications] 山田亮一・板橋一雄 他: "弥富町駒野地域で得られた堆積環境情報と土質試験結果の関係" 土木学会中部支部平成10年度研究発表会. 277-278 (1999)