1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09875133
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
尾島 俊雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20063670)
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Keywords | 都市環境 / 緑化 / 樹木 / 都市計画 |
Research Abstract |
本年度は、樹木の主に環境物理的効果に関する既往文献調査を中心に活動を行った。ここでは国内外の関連分野(農学・気象学・生物学・化学・物理学・機械工学等)の既往文献を調査し、現在どの程度まで樹木の効果について科学的に認知され、定量化されているのかについて整理した。なお樹木の効果としては、都市環境に関係が深いと考えられる以下の効果を重点的に取りあげた。すなわち、(1)熱環境緩和効果、(2)防風効果、(3)大気浄化効果、(4)防音効果、(5)防火効果、(6)心理・生理的的効果である。 そして樹木の各効果に関する研究により得られた知見を、a)効果の定性的把握(認知)が可能、b)実測調査や実験による効果の定量的把握(モニタリング)が可能、c)数値計算による効果の予測(モデリング)が可能、の3段階に分類した。更にこれをふまえ、都市緑化の事前・事後評価手法確立のための今後の研究課題を各効果について整理した。 文献調査の結果、熱環境緩和効果や大気浄化効果、防風効果、防火効果は比較的効果の予測が可能な段階に達していると考えられるが、その他の効果については未だ研究の余地が多く残されていることが明らかとなった。なお来年度は本年度に引き続き、国内外の樹木の効果に関連する文献調査を進めると共に、1)都市に現存する樹木を従来研究を参考に類型化し、2)市街地に樹木を導入する際の事前・事後評価に役立つ計測・評価手法を検討する予定である。
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