1997 Fiscal Year Annual Research Report
都市域の植生の塊状性・連続性の定量化手法に関する研究
Project/Area Number |
09875135
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 邦明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60223145)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 希晶 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80125632)
|
Keywords | 都市植生 / 塊状性 / 評価手法 / 画像 |
Research Abstract |
都市環境研究にとっては厳密に記述される植生概念が重要である。本研究では「塊状植生被率」という新しい概念で植生の塊状性・連続性を表現する手法の提案をめざしている。この指標は画像処理を施した航空写真に基づいて算出するものである。そこで、まず、離散化された画像において特定色が占める領域に対して、形態指数、拡散指数、占有率を定義したのちこれらの量を用いて塊状率を定式化した。特定色を植生に対応する緑系の色と考えれば、塊状率は塊状植生被率とみなしうる。 以上の諸量を仙台市及び京都市の市街化域について実際に算出した。使用したデータは1/12500のカラー航空写真である。1ピクセル1m相当のデジタル画像に離散化し,色情報から樹木,草地を抽出し緑被率や塊状植生被率などを狭領域と広領域で算出し、緑被率コンター図、塊状植生被率コンター図などを作成した。また、仙台市についてのみだが、1/25000の都市計画地図から用途地域のフィーチャーを地理情報システムへ入力した。仙台市と京都市の比較の結果、緑量の多い歴史地域が多い京都では、中程度の塊状性のある地域が仙台市に比べて小さいことがわかった。塊状植生被率は都市の緑の性質のかたまり具合をそれらしく表現していることは分かったが、もともとかたまり具合というものが人の感覚的な量である。次年度は本手法を、緑の分布特性の異なる都市に適用し妥当性を検討するとともに、数理的な意味も再検討する必要がある。
|