1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09875142
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮澤 鉄藏 千葉工業大学, 工学部, 教授 (60083888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 元弘 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (30224645)
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Keywords | 農村景観 / 風景絵画 / 描画方法 / デフォルメ効果 |
Research Abstract |
本年度の研究内容は、資料の収集と次にあげる資料の解析である。 1.絵画を構成する素材の扱い方 (1)素材の描画頻度 (2)素材の組み合わせ 2.素材の描画方法の特徴 3.絵画作成経験者を被験者とする農村景観絵画の評価 4.絵画のデフォルメ効果の解析の試行 1.及び2.については、資料として「美しき日本」(全10巻:井上靖・河北倫明監修)および「日展作品集」(第21回〜第29回)を使用した。農村風景画250点、都市風景画183点を選定し、描画の構成素材、技法の特徴に関するデーターベースを作成、都市と農村を比較しながら、構成素材の特性、描画方法の特性を解析した。3.については、上記1.及び2.をもとに選定した農村風景20点、都市風景5点を資料とし、被験者13名(年齢50〜39才)を一堂に集め、絵画の心的評価をさせた。評価の内容は(1)絵画作品としての評価、(2)農村景観としての評価である。4.は絵画作品と実景を比較し、絵画のデフォルメ、省略、付加の効果を確かめるための試行である。真鶴、湯河原海岸での実地調査を行い、解析方法ととし有効であることを確かめた。 本年度の研究成果として、農村風景画は大略次のような特徴が認められた。(1)山、森、海等自然に融和した風景が多い。(2)曲がった道、圃場整備されない水田等、農村近代化に反する風景が多い。(3)傷んだ倉、古びた家など時代を経験した素材が多い。(4)雪景、若葉、紅葉、冬枯れなど季節を反映した風景が多い。(5)景観に不必要な素材を省略する風景が多い。
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[Publications] 高梨 正彦, 鎌田 元弘, 宮澤 鉄蔵: "日本の近代・現代風景画にみる“農村らしさ"に関する研究-高次の美的感覚を持つ専門家の美的視点からみた『好ましい農村景観』-" 農村計画学会学術研究会要旨集. 1997年度要旨集. 201-204 (1997)
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[Publications] 高梨 正彦, 鎌田 元弘, 宮澤 鉄蔵: "日本の近代・現代風景画にみる“農村らしさ"に関する研究-専門家の美的視点からみた『好ましい農村景観』-" 日本建築学会学術講演(学術講演梗概集). 1997年度大会梗概集. 485-486 (1997)