1998 Fiscal Year Annual Research Report
有限なキャパシティの割付手法による持続可能な建設活動の構築に関する研究
Project/Area Number |
09875144
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野城 智也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30239743)
|
Keywords | サステナビリティ / 持続可能性 / キャパシティ / 環境負荷 / 建設産業 / 廃棄物 / 更新 / 維持保全 |
Research Abstract |
建設活動は、空間、資源エネルギーをインプットし、建設産業の生産能力を用いて、建物や社会基盤・産業施設をアウトプットする活動であると理解できる。インプットされる、空間、資源、エネルギーは、それぞれ有限のキャパシティを持っている。同様に、建設産業の生産能力も有限のキャパシティを持つと考えられる。本研究は、持続可能(サステナブル)な建設活動を構築するには、これらの有限なキャパシティの間に存在するバランスを維持することが必要になるという着想にたって、これらのキャパシティの相互関係に関するモデルを作成し、どのように有限なキャパシティをどのように割り付ければ、持続可能(サステナブル)な建設活動を構築することができるのかについて知見を得ることを目的とした。 本研究では、第一に、日本の建設市場を対象に、各種のキャパシティの割付けについて分析を行い、今後、既存建物・社会基盤施設の維持保全改修需要が増大するため、建設業の生産キャパシティを維持保全改修工事に割り付けていく必要性があることを明らかにした。 第二に、建設活動に伴う環境負荷と環境キャパシティの関連について、建設活動に係わるマテリアルフローに着目し考察した。その結果、主要構造材料については、既存建物・社会基盤施設にストックされている材料総量は、今後の新規需要予想量よりも大きいこと-言い換えれば、既存建物・社会基盤施設にストックされている材料を再利用すれば、新たに資源採取をする必要がないことを明らかにした。 第三に、本研究では、建設活動の持続可能性を阻害するクリティカル・ファクターを抽出するための、インジケーターを考案し、その評価インジケーターの評価方法について検討を加えた。その結果、単に、環境キャパシティだけではなく、空間キャパシティ及び投資キャパシティがクリティカルになりうることを明らかにした。
|
-
[Publications] 野城智也: "発想転換のすすめ" BELCA NEWS. 57号. 8-9 (1998)
-
[Publications] 野城智也: "21世紀の終わりにサステナビリティを考える 建築家とマクロシステム" 新建築 住宅特集. 9901. 21-25 (1999)
-
[Publications] 野城智也: "21世紀の終わりにサステナビリティを考える 多次元性と意思決定" 新建築 住宅特集. 9902. 84-88 (1999)
-
[Publications] 野城智也: "21世紀の終わりにサステナビリティを考える 変りゆくプロセス" 新建築 住宅特集. 9903. 100-105 (1999)
-
[Publications] 渡邊雄二 野城智也: "地域工務店の増改築工事へのかかわり方に関する調査研究" 日本建築学会 建築生産シンポジウム論文集. VOL.14. 45-50 (1998)
-
[Publications] 野城智也: "英国の公共セクターにおける建設調達政策の近年の変化について" 日本建築学会 建築生産シンポジウム論文集. VOL.14. 23-28 (1998)
-
[Publications] 野城智也 他: "ドクターホームが教える快適リフォームのコツ 戸建て編" 住宅金融普及協会, 193 (1998)