1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09875166
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 論 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10171175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 元 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (40250716)
貝沼 亮介 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20202004)
石田 清仁 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (20151368)
本間 基文 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (50005261)
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Keywords | 巨大磁気抵抗 / ホイスラー合金 / メルトスパン / MR比 / 熱処理 / Ag-Mn-Al |
Research Abstract |
1. 目的: 最近のマイクロデバイス化の傾向の中、伝導電子のスピン依存散乱によって抵抗変化が生じるGMR材料が話題となっている。ホイスラー合金は強磁性元素を含まない合金ではあるが強磁性を示し、Cu基で規則変熊、2相分離変態が生じることが報告されている。したがってこれらの変態を利用することによりスピン依存散乱を生じさせ、GMR効果を発現できる可能性がある。一方Cu基以外のホイスラー合金としてAg_5MnAl合金があり、硬質磁性を示す非平衡相として長年注目されてきた。しかし、この合金を用いた磁気抵抗に関する報告はない。そこで本研究ではホイスラー合金を用い、組成、熱処理条件を検討することによりGMR効果発現の可能性について調べた。今年度は特にAg-Mn-Al系合金を中心に検討した。 2. 実験方法: Ag_5MnAlとAgを結んだ直線上の組成合金を選び、急冷薄帯を作製した。これらを473〜873Kにおいて熱処理した。磁気特性の測定にはVSM、相の同定にはDTAおよびX線ディフラクトメータ、磁気抵抗測定には手製の測定装置、組織観察にはSEM-EDX、TEMを用いた。 3. 結果: 得られた結果を要約すると以下のようになる。(1)as-spun状態では、Ag、γ、βMnの3相以外にもAg_<10>(Mn_<0.5>Al_<0.5>)_<90>急冷薄帯でε相、Ag_<40>(Mn_<0.5>Al_<0.5>)_<60>、Ag_<50>(Mn_<0.5>Al_<0.5>)_<50>急冷薄帯でτ相が出現した。しかしas-spun状態では全ての組成の急冷薄帯においてMR比は低く0.1%以下であった。(2)熱処理によりτ相の出現する組成域、温度域が変化するが、τ相の出現する組成域、温度域において高い磁気特性およびMR比が得られた。中でも573Kで168時間熱処理したAg_<40>(Mn_<0.5>Al_<0.5>)_<60>急冷薄帯において最も高いMR比0.9%が得られた。
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Research Products
(1 results)