1997 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導材料工学と材料力学の融合による超伝導特性に及ぼす力学的効果評価
Project/Area Number |
09875169
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
落合 庄治郎 京都大学, 工学部, 教授 (30111925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 忠信 科学技術庁, 金属材料技術研究所, 研究員
北條 正樹 京都大学, 工学部, 助教授 (70252492)
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Keywords | 超伝導材料 / 材料力学 / 応力 / 臨界電流 / 上部臨界磁場 / 破壊 / 疲労 / クラック |
Research Abstract |
臨界温度・電流・磁場などの超伝導特性は、超伝導線材が作製・使用中に受ける機械的・電磁気学的応力によって大きな影響を受けるため、力学的見地からの超伝導特性評価が必要である。このテーマは、超伝導材料工学と材料力学の学際領域に位置する。本研究では、材料力学分野の構造材料研究で用いられている手法を超伝導材料に適用し、静的及び繰り返し応力下での力学的応答とその超伝導特性に及ぼす影響を調べた。主な結果は以下のように要約される。 Nb_3Al超伝導線材の静的・動的挙動の観察および応力解析により、応力負荷時に生じる残留応力変化、ならびにフィラメントの破断、疲労クラックの進展、安定化銅の破壊進行状況を明らかにした。ついで、このような残留応力変化および損傷が生じた試料の臨界電流及び上部臨界磁場の変化を測定し、力学実験・解析結果と突き合わせることにより、Nb_3Alフィラメントの残留歪および損傷と臨界電流との対応関係をほぼ把握することができた。また、Nb-Ti複合線材では、静的および動的応力下でNb-Tiフィラメントにマルティプルネッキングが負荷応力レベルに依存した形で発生し、臨界電流低下およびn値低下の原因となることを明確に示した。また、同時にマルティプルネッキングの生成機構についても、有限要素法解析により、フィラメントと安定化銅の力学的相互作用によるものであることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)