1998 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウム活性化流動床を用いた固相領域におけるアルミニウム表面窒化
Project/Area Number |
09875179
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
奥宮 正洋 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (20177182)
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Keywords | 窒化アルミニウム / 流動床 / ガス窒化 / アルミニウム / 表面酸化膜 / 窒素ガス |
Research Abstract |
アルミナ(Al_2O_3)/アルミニウム・マグネシウム(Al-Mg)合金粉末を充填した流動床窒化炉を用いて,Al基材表面を活性化させAlの融点以下でのガス窒化処理を可能とし,流動床内における窒化メカニズムの検討,および流動床によるAl表面の窒化プロセスの最適条件の検討を行った. 処理温度が高いほど改質層生成速度は大きいが,昇温時の置換ガスとしてN_2ガスを用いているため,処理開始温度が高いほど昇温中に流動床内でAl_3Mg_2や,AlNが生成される.843Kを越えると,流動化直後にAlとNの発熱反応が急激に起こり,基材溶解または充填粉末が溶解・焼結してしまう. Al-Mg配合比1.0mass%以上では改質層はAIN+Al_2O_3混合層とAlN浸透層とに分かれ,処理後の表面は粗れている.Al-Mg配合比0.4mass%までは混合層は確認されない.Al-Mg配合比0.5〜3.0mass%では流動床中のAlがNと反応し,AlN粉末となりAl_2O_3粉末と共に基材に堆積する. 充填粉末が流動化され基材と粉末との接触により表面酸化膜が破壊される.その時,Alを露出させることで基材表面は反応しやすい状態,つまり活性化されていると考えられる.Al-Mg粉末が無い場合は処理後の基材表面に変化は観られない. 流動床を用いたAl基材の窒化プロセスにおいてN_2ガス流量は流動化に必要なガス量より決められている.そのためAlN生成反応に必要なガス量より非常に多い.基材を回転させればN_2ガス流量によらず,流動床と同等の基材と粉末との接触衝撃力を得ることができる.よって,窒化性ガスであるN_2ガス流量を任意に変化可能であり,使用ガス量の低減と共に,流量変化による窒化制御も可能となる.流動床の40%のN_2ガス流量でも基材を回転させればAlN改質層の生成が認められる.
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