1998 Fiscal Year Annual Research Report
水中パルス放電による高エネルギーエレクトロンの反応制御
Project/Area Number |
09875188
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 正之 群馬大学, 工学部, 教授 (70008473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原野 安土 群馬大学, 工学部, 講師 (90238204)
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Keywords | 高エネルギーエレクトロン / 水中放電 / パルス放電 / ラジカル / ストリーマ放電 / フェノール分解 / OHラジカル / 不均一電界 |
Research Abstract |
本研究は、水中パルス放電により発生するストリーマ状の放電路で生成する各種ラジカルと、ストリーマ中に存在するエネルギーの高いエレクトロンとが、化学反応に及ぼす影響についての基礎的知見を得ることを目的として行ったものである。 初年度は、水中に配置した針対平板電極により生ずる強度な集中電界によって水の絶縁破壊が起こり、それをきっかけとしてストリーマ放電がアース電極へ向かってのびる結果、今までにわかっているOHラジカル、Hラジカルばかりでなく、Oラジカルも生成していること、また、針電極を通してガスをバブリングすることにより、さらに多量のラジカルが生成されることを確認した。さらに、微量な(50〜100ppm)フェノールを添加した水にパルス処理を行ったところ、フェノールは中間生成物を経て最終的には二酸化炭素にまで分解されることを示した。 本年度においては、さらに放電形式の検討を行い、ラジカルによる微量有機物の分解に対するエネルギー効率を求めた。その結果次のようなことがわかった。 (1) 次の3種類の放電形態に関して、有機物(フェノール)分解に要する印加エネルギーに対する分解速度(エネルギー効率)の違いを実験的に求めた;すなわち(a)ストリーマ放電のみ、(b)ストリーマとスパーク放電の共存場、(c)スパーク放電のみ、である。その結果、(b)の放電形態がもっとも効率的であることがわかった。 (2) 過酸化水素の共存場と酸素ガスのバブリングとにおけるパルス処理はそれぞれ有機物分解に対して大きなプラスの効果をもたらすことがわかった。 (3) 有機物分解のみならず、菌類の溶菌効果があることが確かめられ、今後の下水処理新技術開発の可能性を示唆した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sun,B.: "Non-uniform pulse discharge induced radical production in distilled water" J.Electrostatics. 43(2). 115-126 (1998)
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[Publications] Shiba,Y.: "Growth and morphology of anchorage-dependent animal cells in a liquid/liquid interface system" Biotech.Bioeng.57(5). 583-589 (1998)
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[Publications] 芝良昭: "液/液界面における付着依存性動物細胞の増殖および付着に対する界面活性物質の影響" 化学工学論文集. 24(2). 343-345 (1998)
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[Publications] Sato,M: "Surface tension reduction of liquid by applied electric field using vibrating jet method" IEEE Trans.Ind.Appl.34(2). 294-300 (1998)
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[Publications] Saito,M.: "Soot suppression by acoustic oscillated combustion" Fuel. 77(9/10). 973-978 (1998)
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[Publications] Sato,M.: "Production of ultra-uniformly-sized silica particles by applying ac superimposed on dc voltage" J.Electrostatics. (in print). (1999)