1997 Fiscal Year Annual Research Report
ミスト熱分解法を応用した燃料電池用電極触媒の新しい調製法
Project/Area Number |
09875194
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田川 智彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10171571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 繁雄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90023283)
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Keywords | 超微粒子電極 / 燃料電池電極 / 燃料電池型反応器 / ミスト熱分解法微粒子合成 / 選択的酸化反応 / メタン酸化 / 混合酸化物電極触媒 / 超音波 |
Research Abstract |
1.装置の試作 ミスト熱分解法による酸化物超微粒子合成を、平板状の固体電解質表面への超微粒子電極調整に応用するため、装置の試作を行った。電極構成元素硝酸塩の水溶液を所定の割合で混合して調製した溶液を超音波発振子でミスト化し、これを空気気流中、加熱した電解質に接触させて固定化、熱分解する。このため、試料ステージを備えた密閉型平板ヒーターに、周期操作用電磁弁を介して超音波ミスト発生装置を接続し、排気側より流量調節可能なアスピーレーターで吸引してミストを流通させるシステムを試作した。環境に配慮して、排気最終段階にはアルカリ洗気瓶を設定し排ミストから原料成分を水酸化物の形で回収できるようにした。 これにより、二次元反応場に化学デバイスとしての超微粒子を効率よく、簡単に配置することが可能となった。 2.電極調整 我々が開発中の燃料電池型反応器の燃料電極触媒調製に応用するため、ランタンとアルミニウムの混合酸化物電極触媒の調製を試みた。従来は原料酸化物をグリセリンなどでペースト化して塗布、焼成を行う「ペースト」法が用いられてきたが、本法を用いることで、これに比べ格段に接着性のよい電極が調製可能となった。なかでも、ミストを連続して流通する「連続法」に比べ、噴霧と休止・乾燥を繰り返して操作する「周期操作」が良好な結果を与えることを見いだした。原料水溶液濃度、電解質基板温度、超音波出力、噴霧時間および休止時間、総噴霧時間など「周期操作」条件の影響を詳しく調べ、これらを最適化することで、電解質表面に安定で均一な超微粒子電極を調製することが可能となった。 3.反応性の検討 こうして調製した電解質-電極触媒ユニットを用いて燃料電池型反応器を構成し、メタンの選択酸化活性の測定を継続中である。これをもとに電極性状と反応性の関係についての解明を行いたい。
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