1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09875209
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真嶋 哲朗 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00165698)
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Keywords | ラジカルイオン / 発光 / 放射線化学反応 / ケイ光 / リン光 / 分離型ラジカルカチオン |
Research Abstract |
我々は、1,1-ジアニシルエチレンを塩化n-ブチルの77K低温剛体固体中でγ線照射することによって生成させた1,1-ジアニシルエチレンのラジカルカチオンが、80K程度までの昇温によって中性分子と二量化して1,4一分離型ダイマーラジカルカチオンを生成すること、この1,4一分離型ダイマーラジカルカチオンではラジカル部位とカチオン部位とが分離しそれぞれ独立の吸収を持つこと、この1,4-分離型ダイマーラジカルカチオンのケイ光スペクトルでは、ラジカル部位のD_2←D_0光励起によってラジカル部位からのD_1→D_0発光が(寿命〜100ns)、カチオン部位のS_1←S_0光励起によってカチオン部位からのS_1→S_0発光(寿命〜数ns)が観測されることを見い出した。D_1およびS_1光励起状態においても、この1,4-分離型ダイマーラジカルカチオンではスピン部位と正電荷部位とのクロモファ間のエネルギー移動が遅いことがわかった。これは、ラジカル部位のD_1状態とカチオン部位のS_1状態の交換はスピン禁制であることに起因している。なお、1,4-分離型ダイマーラジカルカチオンのカチオン部位のS_1光励起状態の一部は励起三重項状態へ系間交差したのち、数msの寿命のリン光発光によって失活することが観測された。すなわち、カチオン部位内のS_1-T_1ミキシングは起こりやすいと言える。なお、その際、分子内のスピンの影響についてはさらに詳細な検討を要する。例えば、T_1ではなく、四重項が生成してこれからの発光が起こっている可能性もある。さらに、1,1-ジアニシルエチレンのみならず、種々の1,1-ジアリールエチレンのラジカルpチオンの二量化によって、生成した1,4-分離型ダイマーラジカルカチオンについても検討し、ラジカル部位とカチオン部位とがそれぞれ独立に発光することを観測した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akito Ishida: "Surfau plasmon excifation of a porphyrin bonded to a gold surface" Chem. Commun.1998. 55-57 (1998)
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[Publications] Akito Ishida: "Photocurrent generation with surface plasmon excifation via electron transfer quenching of excited porohyrin..." Chem. Lett.1998. 267-268 (1998)
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[Publications] Mitsunobu Nakamura: "Binaphthyl formation from the radical cation of tri-l-naphthyl phosphate and their related compounds in photoinduced electron transfer reactions" J. Org. Chem.63・18. 6258-6265 (1998)
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[Publications] Akito Ishida: "Surface Plasmon Excitation of Porphyrin Self-assembly Monolayers on a Gold Surface" Nanotechnology. 印刷中 (1999)
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[Publications] Kyoko Sugita: "^<18>O-Selective Infrared Multiple Photon Decomposition of Natural and ^<18>O-Enriched Diidopropyl Ethers" J. Phys Chem. A. 印刷中 (1999)
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[Publications] Tetsuro Majima: "Decomposition of cyclopentadienyltricarbonylmanganese in highly vibrational excited states" J. Organonet. Chem.57・41. 155-162 (1999)