1998 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素-酸素結合を持つ巨大シリケートクラスターの探索
Project/Area Number |
09875216
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黒田 一幸 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90130872)
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Keywords | 無機有機層状組織体 / 薄膜化 / 長鎖アルキルトリアルコキシシラン / 四官能性アルコキシシラン |
Research Abstract |
昨年度は、三官能性長鎖アルキルトリアルコキシシランの加水分解・重縮合による無機有機層状組織体の合成を行い、両親媒性分子の自己組織化能を利用した二次元平面内でのSi-Oネットワーク形成を明らかにした。本年度は、Si-O結合を有する巨大クラスター合成の探索として、長鎖アルキルトリアルコキシシランの加水分解・重縮合過程に於いて、四官能性アルコキシシランを共存させたSi-Oネットワーク形成を検討し、無機有機層状組織体の生成およびその薄膜化に成功した。これは組織体内でのSi-O結合様式の多様化の試みであると同時に、形態制御の達成は、本物質系を機能性分子の固定化媒体と捉えた際のデバイス化への展開として興味深い。 本研究では、長鎖アルキルトリメトキシシラン(C_nTMS;n7=6-18)とテトラメトキシシラン(TMOS)をテトラヒドロフラン/水混合溶媒中でHCl酸性条件下、室温で共加水分解・共重合させることで、出発ゾル溶液を調製し、ガラス基板上にスピンコート、乾燥させることで、層状組織体薄膜を得た。 TMOS/CnTMS=4とし、薄膜調製を行った結果、n=6-10で透明性、高秩序性を有する層状組織体薄膜(膜厚約0.8μm)が得られた。得られた薄膜から粉末状の試料を作成し、^<29>SiMASNMR測定を行った結果、様々なSi環境を有するシロキサンネットワークの形成が示された。得られた薄膜のXRD測定から、最低角ピークのd値はC_nTMSのアルキル鎖長に依存して変化し、シリケート層(厚み1.6nm)の繰り返し間隔制御も可能であった。また、TMOS/C_<12>TMS比を4から10の範囲で変化させた結果、TMOS添加量の増大に伴い、d値の増大が観察され、シリケート層の厚みが増大していることが推測された。以上の結果から、本物質系でのゾルゲル法による無機有機層状組織体の形態及び構造制御が示された。
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Research Products
(1 results)