1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09875218
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
徳田 昌生 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (80001296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 皇美 通産省工業技術院, 北海道工業技術研究所資源エネルギー基礎工学部, 技官
仙北 久典 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (50241360)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 二酸化炭素の固定 / 電解合成 / カルボン酸 / 反応性電極 / 環境調和的合成 / ナフタレンカルボン酸 |
Research Abstract |
1. 超臨界二酸化炭素中での電解カルボキシル化 平成9年度の研究において、白金陰極、マグネシウム陽極を取り付けた高圧反応容器に支持電解質としてBu_4NBF_4、共溶媒として少量のアセトニトリル(10ml;155mlの反応容器に対して6vol%)を加え、臨界点以上の反応条件(40℃,80Kg/cm^2)にすると電解が可能となることを見出した。 今年度は1-プロモナフタレンを基質として用い、反応条件についてさらに詳細な検討を行った。その結果、基質1mmolに対して5mmolのBUu4NBF_4の支持電解質を用い、5F/molの通電量で電解することによって95%の収率でナフタレン-1-カルボン酸を得ることができた。共溶媒については3mlまで減らしても約70%の収率でカルボン酸が得られることを見出した。超臨界二酸化炭素中での電解によるカルボン酸の合成は本研究が世界で最初の例である。 2. 芳香族カルボン酸の合成 少量のアセトニトリルを共溶媒とし超臨界二酸化炭素中上記の条件下1-クロロナフタレンを20mA/cm^2の定電流で電解することによって、ナフタレン-1-カルボン酸を92%の高収率で得ることができた。さまざまなハロゲン化アリールを同様の条件下電解することによって括弧内に示す収率でそれぞれ相当するカルボン酸を合成することができた:2-クロロナフタレン(83%)、2-ブロモナフタレン(79%)、2-アセトキシ-6-プロモナフタレン(86%)、2-ブロモ-6-メトキシモナフタレン(76%)、9-プロモフェナントレン(74%)、2-プロモフルオレン(92%)。ハロベンゼン類からは40%以下の低収率でカルボン酸が得られた。なお、2-アセトキシ-6-プロモナフタレンから得られるカルボン酸は液晶の原料として有用な化合物である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Kamekawa: "New Electrochemical Cerboxy lation of Vinyl Triflates. Synthasis of β-Keto Carboxylic Acids" Tetrahedron Letters. 39. 1591-1594 (1998)
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[Publications] 仙北 久典: "超臨界CO_2流体を利用した電解合成プロセス" 化学装置. 41・2. 55-59 (1999)
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[Publications] S.Torii (Ed.): "“ Novel Trends in Electroorganic Synthesis" (分担執筆)「Electrochemical Carboxylation of Scveral Organic Helides in Supercritical Carbon Dioxide」" Springer-Verlag, 461 (1998)