1997 Fiscal Year Annual Research Report
マンガンアート錯体および関連有機金属化合物を用いる新反応の展開
Project/Area Number |
09875224
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
細見 彰 筑波大学, 化学系, 教授 (00004440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 肇 筑波大学, 化学系, 助手 (90282300)
三浦 勝清 筑波大学, 化学系, 講師 (20251035)
北條 信 筑波大学, 化学系, 講師 (50229150)
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Keywords | 有機マンガンアート錯体 / 立体選択的合成 / アルドール反応 / 還元的メタル化 / ラジカル反応 / サマリウム推進反応 / アリルマンガンアート錯体 / プロパルギルマンガンアート錯体 |
Research Abstract |
本研究課題で今年度得られた成果を以下に示す. ヨウ化ビニルあるいはアセチレンから生じるビニルラジカルが,分子間での立体選択的炭素-炭素結合生成に有効であることが明らかとなった.また,イオン的反応として知られていたアリルメタル化反応がラジカル機構でも進行することを示し,精密有機合成におけるラジカル反応の適用範囲をいっそう広げることができた. また,有機マンガンアート錯体の生成とその反応挙動はこれまで殆ど知られておらず,その詳細を明らかにすることにより,今後有機合成上重要な有機金属試剤となり得ることを明らかにした.α-位に還元され得る酸素官能基を有するケトンに対して有機マンガンアート化合物を反応することにより,マンガンエノラートが直接的に得られることを見つけた.得られたエノラートに対してアルデヒドを作用させることにより,アルドール誘導体が高収率で得られた.また,生成したマンガンエノラートは種々の求電子剤と反応して対応する置換生成物を高収率で与えた. さらに,有機マンガンアート化合物はアリルブロミド,プロパルギルブロミドとの反応により,還元的メタル化を起し,対応するアリルマンガンアート反応剤,および,プロパルギルマンガンアート反応剤を高収率で与えることを見付けた.この際,有機マンガンアート化合物の有機リガンドとして,テトラブチルマンガナ-ト錯体が好都合であった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A.Hosomi: "Manganese Ate Complexes as New Reducing Agents:Perfectly Regiocontrolled Generation and Reactions of the Manganese Enolates with Electrophiles" J.Am.Chem.Soc.,. 119・23. 5459-5460 (1997)
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[Publications] A.Hosomi: "Direct Alkynyl Group Transfer from Silicon to Copper. New Preparation Method of Alkynylcopper (I) Reagents" Tetrahedron Lett.,. 38・22. 3977-3980 (1997)
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[Publications] A.Hosomi: "Intramolecular Addition of Hydroxyl Group to Vinylsilanes via a 1,2-Silyl Migration" J.Org.Chem.,. 62・24. 8292-8293 (1997)
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[Publications] A.Hosomi: "A New and Mild System for the Generation of Nonstabilized Carbonyl Ylides:Synthetically Practical Use in the Reactions with Electron-Deficient Dipolarophiles" J.Org.Chem.,. 62・25. 8610-8611 (1997)
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[Publications] A.Hosomi: "A New Type of Allyl-and Prop-2-ynyl-manganese Species:Generation and Reactions with Electrophiles" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,. 21. 2077-2078 (1997)