1998 Fiscal Year Annual Research Report
N-アルキルアクリルアミドモノマーを用いた乳化重合機構の実験科学的研究
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09875232
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
国府田 悦男 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (40124648)
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Keywords | 高分子微粒子 / N-アルキルアクリルアミド / ポリビニルアルコール / 動的光散乱法 / 静的光散乱法 / 電気泳動光散乱法 / 電位差滴定 |
Research Abstract |
本研究は、高分子微粒子の合成法として広く用いられている乳化重合法において、その機構を解明し、重合の制御法を確立するための実験手法を検討することを目的とする。測定操作の手順は、重合系から経時的に試料を採取し、ミセル内の高分子微粒子が破壊されないLCST以上の温度で粒径測定(動的光散乱法)を行なった後、冷却して粒子を構成している高分子を溶解させ、透析によって精製してから、そのキャラクタリゼーション((1) 静的光散乱法による分子量と慣性半径の測定:(2) 動的光散乱法による流体力学半径の測定;(3) GPC法よる分子量分布の測定)を行う方法に従った。しかしながら、実験結果の信頼性を高めるために、γ-線照射により粒子を構成する高分子の架橋(ゲル化)を行ない、“粒径を保存″する方法も併せて採用した。その場合、重合系から採取した試料を直ちにγ-線照射する方法と、LCST以上の温度で透析(未反応モノマーや界面活性剤の除去)した後にγ-照射する二通りの方法を用いた。なお、両者の方法で得たゲル微粒子は、電気泳動光散乱法を用いて、界面活性剤が完全に除去されていることを確認した。さらに、ゲル微粒子の粒径に及ぼす架橋密度(γ-線照射時間)の影響は、粒径の温度依存性の検討から知ることができ、透析操作で界面活性剤が除去できることも確かめられた。他方、重合反応は、過硫酸カリウムを用いたレドックス系で行なうので、採取試料溶液に酸素ガスを吹き込むだけで容易に停止させることができる。本年度は、ミセル内での重合を行い、高分子微粒子に酸性基及び塩基性基を導入出来ることを確認するとともに、電位差的滴定及び電気泳動光散乱法を用いて微粒子の構造を明確にすることが出来た。さらに、γ-線照射により粒子を構成する高分子の架橋(ゲル化)過程と粒子構造(特に、粒子表面構造)を考慮に入れた形成機構に関するモデルを提出することが出来た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] B.Wang,S.Mukataka,M.Kodama,and E.Kokufuta: "Viscometric and Light Scattering Studies on Microgel Formation by γ-Ray Irradiation to Aqueous Oxygen-free Solutions of Poly(vinyl alcohol)" Langmuir. 13(12). 6108-6114 (1997)
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[Publications] B.Wang,M.Kodama,S.Mukataka,E.Kokufuta: "On the Intermolecular Crosslinking of PVA Chains in an Aqueous Solution by γ-Ray Irradiation" Polym.Gels & Networks. 6(1). 71-81 (1998)
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[Publications] S.Ito,K.Ogawa,H.Suzuki,B.Wang,R.Yoshida,E.Kokufuta: "Preparation of Thermosensitive Submicron Gel Particles with Anionic and Cationic Charges" Langmuir. (印刷中). (1999)