1997 Fiscal Year Annual Research Report
極超音速飛行体空力加熱評価のための非平衡反応性プラズマ分光法の開発
Project/Area Number |
09875249
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤原 俊隆 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90023225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 琢磨 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90232991)
吉川 典彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60135423)
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Keywords | プラズマ / レーザー / 分光 / 非平衡 |
Research Abstract |
本年度は,プラズマ発生装置の設計・製作とラマン散乱法の開発を行った. (1)プラズマ発生装置 不純物を含まないプラズマを発生させるために,無電極放電型の装置を選択し,設計・製作した.周波数が13.56MHzで最大出力1kWの高周波電源を購入し,誘導結合型のプラズマ発生装置を作成した.プラズマ発生部は直系8cmのアルミナ管で製作し,アルミナ管周囲に3ターンのコイルを配した.コイルは中空銅管であり,中空部分に水を流して冷却した.空気プラズマを発生させ,その基礎特性の測定を行っている.分光測定に先立ち,プローブ法による診断を行っている. (2)ラマン散乱測定法 プラズマ装置の作成が予定より遅れたため,火炎を用いた振動ラマン散乱の計測を行った.大気圧・当量比1のメタン-空気予混合火炎中に,Nd:YAGレーザーの第3高調波である波長355nm,最大出力170mJ/pulseのビームをフォーカスさせ,焦点から放出される窒素分子の振動ラマン散乱光スペクトルを測定した.スペクトルは,焦点距離25cmの分光器の出口スリット側に高感度CCDカメラを設置して得た.散乱光が微弱であるため,1万パルスの積算が必要であった.測定したスペクトルと理論計算したスペクトルを比較して,温度・濃度が決定できる.スペクトルシミュレーションのプログラムを開発し,実験と比較した.温度範囲1000〜2000kで熱電対とも比較し,150k程度の相違があることが判った.但し,ラマン散乱法と熱電対測定法の両者とも測定誤差を含む.熱電対測定では,幅射の影響補正に不確定な要素を含むため,測定値の信頼性に問題があり,一方,本研究のラマン散乱法ではまだS/N比が低いため測定精度の改善が必要である.今後,更にS/N比向上の改善が必要である.又,窒素分子の励起状態の振動ラマン散乱や回転ラマン散乱,酸素分子のラマン散乱についてもシミュレーションプログラムを作成した.
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