1997 Fiscal Year Annual Research Report
津波による、超大型浮体式海洋構造物の運動と係留システムへの研究
Project/Area Number |
09875254
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
増田 光一 日本大学, 理工学部, 教授 (10120552)
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Keywords | 津波 / 超大型浮体式海洋構造物 / 孤立波 / 運動応答 / 係留索張力 / 水槽実験 / 数値シミュレーション法 |
Research Abstract |
本研究では、沿岸域に係留された超大型浮体式海洋構造物に津波が作用した際の、津波が浮体式海洋構造物及びその係留システムに与える影響を明確にすることを目的としている。この際、沿岸域における津波を想定した数値シミュレーション法を開発し、水槽実験と併せて、超大型浮体式構造物に津波が作用した際の運動応答特性と係留系に作用する係留力の応答特性を解明する。 今年度は、研究初年度に当たり、超大型浮体式海洋構造物を剛体であると仮定し、水槽実験と数値シミュレーション法の開発とを行った。 ・水槽実験に関して 2次元水槽において、津波の先端波を想定した孤立波を造波し、浮体の運動変位並びに係留索張力を計測・解析した。この際、実験パラメータとして水深、波高の浮体設置条件と係留条件として係留索初期張力、係留索水平長さ、係留索単位水中重量の合計5つのパラメータを変化させ実験を行い、孤立波の入射に伴う弛緩係留された浮体式構造物の運動特性・係留索張力応答特性について検討を行った。実験結果より、浮体の運動特性・係留索張力応答特性は係留条件に大きく依存する事が判った。すなわち、係留索初期張力を高く設定したり、係留索単位水中重量を大きく設定する事によって浮体変位を抑制することが可能であり、結果として係留索張力の最大値を低く抑えられることが判った。 ・数値シミュレーション法の開発に関して 津波波力算定のための津波の数値計算法と浮体式構造物の運動算定法の開発を行った。ここでは、実験条件との整合性を保つために、津波の先端波を孤立波と仮定し、境界要素法に基づくシミュレーション法を開発した。併せて、所謂C.C.法に基づく浮体運動算定法を開発し、前述の実験結果と比較・検討を行った。計算結果は実験結果を概ね再現しているが、水平運動に関しては係留条件としてより緊張した場合には、その再現性が若干落ちる傾向が見られた。
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