1997 Fiscal Year Annual Research Report
超遠縁交雑法によるトウモロコシ染色体断片のコムギへの導入
Project/Area Number |
09876003
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
辻本 壽 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (50183075)
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Keywords | コムギ / トウモロコシ / 染色体 / 花粉 / X線 / 転座 / PCR / FISH |
Research Abstract |
申請書にある「Gc-花粉照射法」と「未熟胚照射法」のうち、本年度は後者を試みた。トウモロコシの花粉をパンコムギに交配した後、ホルモン処理(2,4-D+GA3)をして種子を強制的に生長させる条件を作った。交配後、1〜3日後に500〜2500RのX線を照射した。交配から14〜21日目に胚を摘出し培地に移した。胚発生は、X線照射の影響を受け遅れていた。奇形になり培地上で生長しないものもあった。このような胚は、2,4-Dを含む培地に移し、一度、カルス化させてから、再分化個体を得るようにした。しかし、分化した個体の染色体は、期待したほどの染色体異常をもたなかった。現在、X線の代わりとして、染色体切断を誘発する薬剤Bleomycineを処理しコムギ-トウモロコシ転座染色体を作ることを試みている。これまでに、初期の条件下で作出した約30個体を、トウモロコシ特異的反復配列のプライマーによるPCRおよび、トウモロコシの全DNAをプローブに用いた染色体の蛍光in situ hybridization(FISH)によって調査した。前者では、トウモロコシ染色体断片の存在を示唆する個体が出現したが、後者では、未だ、確実な個体が現れていない。今後、いろいろな条件でさらに多くの個体を作出すると共に、調査方法を改良して(たとえば、PCRのプライマー)、確実にトウモロコシ染色体断片をもつコムギ系統を得るよう研究を続ける。
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