1997 Fiscal Year Annual Research Report
食餌タンパク質由来メチル化アルギニンはNO産性調節因子として機能するか
Project/Area Number |
09876036
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小川 正 徳島大学, 医学部, 教授 (80027193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 真順美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教授 (40108866)
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Keywords | 一酸化窒素 / ジメチルアルギナーゼ / 一酸化窒素合成酵素 / 内因性阻害剤 / ラット / クローニング / モノメチルアルギニン / ヂメチルアルギニン |
Research Abstract |
メチル化アルギニン類は生体におて翻訳後修飾を受けたタンパク質より生成する内因性の一酸化窒素(NO)産生酵素阻害因子である。現在、NO産生系における本酵素活性を制御する内因性の反応機構は殆ど知られていない。我々はこの点に注目し、メチル化アルギニン類のNO産生系への関わりがあるかどうかを解明することを目的に本研究を行っている。メチル化アルギニンは、全てのタンパク質に含まれており、当然食餌由来のタンパク質より消化過程を経て腸管より吸収され血中に入り、NO産生酵素を阻害することになるが、速やかに分解することで阻害を抑制しているのがヂメチルアルギニナーゼ(DDAH)であると考えている。 本年度の研究により次の点が明らかになった。 1)食餌タンパク質中のメチル化アルギニン類の存在量を正確に把握するための分析法を検討し、その方法を確立した。即ち、食品素材を加水分解後、イオン交換樹脂を用いてアミノ酸画分を分画し、メチル化アルギニン溶出画分を生体成分分析用アミノ酸分析計で分析する。3種のメチル化アルギニン類の内、モノメチルアルギニンはアルギニンとオーバーラップすることから、アルギニンをアルギナーゼで全て分解し検出する方法を確立した。次に実際の食餌構成仁尾いての摂取量を判定する作業にかかり、かつ腸管吸収量と代謝速度について検討する。 2)ラット及びヒト由来のDDAHのCDNAのクローニング二成功した。cDNAより確認した-一次構造上での特徴は本酵素はアミノ酸285個よりなるタンパク質であるがコンピューターによる検索の結果では現在のところ相同性を示すタンパク質の報告はない。ラットとヒトでは約90%の同一性を示した。現在各種臓器での発現量を検討中である。
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