1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09876039
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
生原 喜久雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (00014960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 浩人 東京農工大学, 農学部, 助手 (00237091)
窪田 順平 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90195503)
小池 孝良 北海道大学, 農学部, 教授 (10270919)
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Keywords | ヒートアイランド / 温暖化 / 都市林 / 蒸散量 / 高温緩和機能 |
Research Abstract |
平成9年度と同様に、10m前後の高木(ケヤキ、クスノキ、スダジイ)、4m前後の中木(サザンカ)、0.5m程度の低木の計7樹種および地衣類の草本の2種(ヘデラ、シバ)を用い、環境要因と蒸散量の関係を調査した。平成9年度の調査結果から予測された裸地の光量子と飽差の測定値から蒸散環境変数を求め、部位別の葉量と蒸散環境変数減衰率から1本あたりの蒸散量/日を求める方法を構築した。 この推定方法を用いて、街路樹として代表的な30樹種の蒸散量を測定し、蒸散量の多少による樹種区分を行い、ヒートアイランド化の抑止効果の高い樹種の選定を行った。水分放出能力が高く、都市の温熱環境の改善に期待できる樹種として、キョウチクトウ、ヤナギ、ニセアカシヤ、ユリノキ、ウバメガシ、アオギリ、トウカエデが選出された。ヒートアイランドに対して効果の少ない、即ち、蒸散量の少ない樹種として、モッコク、トラベ、カナメモチおよびマテバシイが選出された。蒸散量の少ない樹種は、耐乾燥性に強いことから、乾燥のしやすい立地での緑化のための樹種であることが生理・生態的に把握された。 公園樹木は入力されたエネルギーを蒸発、蒸散に高率よく変換するた、気温上昇に対して緩和機能をもっている。そのメカニズムを明らかにするため、多層モデルを用いて、解析した。調査項目は、樹冠上の気象(気温、水蒸気圧、風速、下向き日射量、および長波照射量)である。これらの値を用い樹冠の各層の水・熱の交換量および輸送量を計算した。多量の数値のため、コンピュータを用いてとりまとめ中である。
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