1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09876043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯貝 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40191879)
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Keywords | セルロース / 酸化 / セルロース誘導体 / CMC / TEMPO / 再生セルロース / 生分解性 / キチン |
Research Abstract |
1.天然セルロースである、木材パルプ、リンター、微結晶セルロース粉末等を用いて、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペジニルオキシラジカル)を触媒とし、臭化ナトリウムと次亜塩素酸で酸化処理を行ったが、いかなる条件を検討しても水溶性の酸化セルロースは得られなかった。反応終了後に72%重硫酸で酸加水分解し、NMR測定したところ、セルロースのC6位の酸化の程度は極めて低かった。 2.そこで、天然セルロースを20%程度の水酸化ナトリウム水溶液で膨潤処理したマ-セル化セルロースおよびレ-ヨン等の再生セルロースを出発試料としたところ、1-2時間の酸化処理で水溶性の生成物を得ることができた。得られた生成物をNMR測定したところ、セルロースのC6位の一級水酸基はほぼ100%酸化されてカルボキシル基に変換していた。従って、マ-セル化セルロースや再生セルロースを用いれば、高収率で、C6位のみが酸化されてカルボキシル基に変換したセロウロン酸を得ることができた。そこで、再生セルロースを用いて、TEMPOの添加量、反応温度、臭化ナトリウム添加量等の酸化条件を変化させ、得られるセロウロン酸の収率、反応選択性、重合度を測定し、最適な酸化条件を得た。 3.次に、高重合度のセロウロン酸を調製するため、木材パルプ、コットンリンター、コットンリントを銅エチレンジアミン溶液に溶解させ、再生させたゲルを未乾燥のままTEMPO酸化を行った。その結果、市販のアルギン酸レベルかそれ以上の重合度を有するセロウロン酸を調製することができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Isogai,A.: "NMR Analysis of Cellulose dissolved in Aqueous Na0D Solutions" Cellulose. 5・2. 99-107 (1997)
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[Publications] Isogai,A., Kato,Y.: "Preparation of cellouronic acid by TEMPO-mediated oxdiation" Cellulose. 6・2 (印刷中). (1998)