1997 Fiscal Year Annual Research Report
選択的漁獲技術を指向した釣魚具の魚種選択機構の解明
Project/Area Number |
09876048
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 晋 北海道大学, 水産学部, 講師 (80226240)
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Keywords | 魚種選択 / 釣漁具 / 選択機構 / 漁獲選択性 / 日本 / データベース |
Research Abstract |
本年度は釣漁具の魚種選択作用の要因を分析した。まず、日本国内で使用されている釣漁具の仕様とその釣漁具の操作法、漁獲対象魚種、漁場の資料を書籍、雑誌、聞き取り調査などによって収集した。また、釣漁具の形状や色彩ならびに操作法を撮影し、画像データとして記録した。重複したデータを除くと、203例の釣漁具で、3400個の素データが得られた。主要対象魚種は27種、一本釣具類は151例、延縄釣具類は87例であった。これらの素データを一括して記録整理するためデータベースを構築し、相互に検索できるようにした。 整理された釣漁具のデータに対して多変量解析を行い、魚種に最も影響する項目を見つけだした。魚種と関係する項目は強いものから順に、漁期、設置水深、餌料、釣針となった。特に漁期は、回遊魚を対象にするものでは地先の海面で操業する関係から、魚と生態との関係が密接であった。得られた項目について、魚種選択作用の要因として寄与率の大きなものであるか、人間が操作し制御することが可能な要因であるか検討を加えた結果、設置水深、餌料、釣針が主要因と考えられた。餌料と釣針が結びついた擬餌針は魚種選択作用の強いものとして着目できる。また、底棲魚については底質との関係が強く現れた。
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