1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09876049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 俊 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (40183892)
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Keywords | ポリン / Pseudomonas aeruginosa / 蛍光抗体法 |
Research Abstract |
Tanoue et al.(1995)の知見に基づけば、海洋に溶存態として分布するポリンタンパクは、淡水性の細菌として知られるPseudomonas aeruginosaのポリンPに相当する。従って溶存態のポリンは、(1)P.aeruginosaはあるいはその近縁種が海洋に分布し、起源となっている、(2)ポリンPのN末端配列に共通したポリンタンパクを持つ他の海洋細菌が起源となっている、の二つが考えられる。本研究ではこれまで主に(1)について検討を加えてきた。また、実験室で条件を変えてPseudomonas aeruginosaを培養し、海洋での生残の可能性を調べた。 (1)東京湾、相模湾および外洋域で得た海水に蛍光抗体法を適用し、P.aeruginosaに特異的な抗体に反応する菌の数と鉛直、水平分布を調べた。その結果、反応する菌は東京湾の奥から外にかけて次第に減少したが、沿岸海域には10^<2-3>/ml程度が分布しており、少なくとも沿岸域ではP.aeruginosaあるいはその近縁種が起源となりうることが確認された。 (2)P.aeruginosaを塩分、栄養の異なる人工海水培地で培養し、その増殖、生残を見たところ、この菌は200mM程度のナトリウムの存在下でも十分に増殖するとともに、この条件下では栄養を添加しなくとも、長期間生存することが明らかになった。この結果は沿岸域にこの菌が分布するという上記の観察を支持する。
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Research Products
(1 results)