1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09876052
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
飯島 憲章 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (90136143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植松 一眞 広島大学, 生物生産学部, 教授 (00116542)
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Keywords | マダイ / 鰓 / ホスホリパーゼA_2 / 生体防御 / 組織分布 |
Research Abstract |
1)マダイ鰓PLA_2の精製と特異抗体の作成 マダイの鰓にPLA_2が極めて高濃度に存在することから、本酵素が細菌感染の防御因子の一つとして機能しているものと推察している。このことを証明するために、まず魚体重1kg前後のマダイ50尾の鰓組織を凍結乾燥・脱脂処理を行い、脱脂粉末を得た。次いで、脱脂粉末を可溶化し、その上清を粗酵素液とし、加熱処理、透析後、透析内液を5段階のクロマト操作によりPLA_2を精製した。精製PLA_2を抗原としてマウスに接種免疫し、ポリクローナル抗体を作成したが、特異性に問題があった。そのため、次年度においては,鰓組織よりPLA_2を再度精製し、精製PLA_2nに対するポリクローナルあるいはモノクローナル抗体を作成し、免疫組織化学的手法により、鰓組織におけるPLA_2の局在を明らかにする。 2)魚類の鰓組織中におけるPLA_2活性の比較 “PLA_2が鰓に多量に存在すること"は魚類において普遍的であるか否かについて明らかにするために、海産魚のマダイ、クロダイ、キチヌ、イシダイ、セトダイ、ヒラメ、ハマチを、また淡水魚のコイ、ニジマス、ウナギを用い、鰓組織を摘出後、1)と同様の方法で透析内液を調製し、これを粗酵素液としてPLA_2活性を測定した。その結果、マダイの鰓には最も高いPLA_2活性が認められ、次いでヒラメにも活性が認められたが、その他の魚種の鰓のPLA_2活性は極めて低かった。一般に、膵(|)型PLA_2は組織中には不活性型のプロ酵素として存在することから、次年度においては、PLA_2活性の認められなかった魚種の鰓組織については、自己消化を行なうことによりプロ酵素を活性型に変換した後、PLA_2活性を測定する。
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