1997 Fiscal Year Annual Research Report
地域水環境の保全と農業水利施設の管理手法に関する基礎研究
Project/Area Number |
09876063
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山村 善洋 宮崎大学, 農学部, 講師 (90117028)
|
Keywords | 地域水環境 / 水利用実態 / 農業水利施設の水管理 / ひまわり画像 |
Research Abstract |
調査研究の対象としている南九州の鹿児島・宮崎両県における農業水利事業完了地域の水利用実態を,各土地改良区の事業完了後から今日までの水管理データに基づいて解析検討した。その結果、事業完了後の水利用の実績は年を経る毎に増加し,十数年経過すると使用量はほぼ一定になる。これには,この地域が元来天水依存型の農業であったために,農業用水としてパイプラインによって給水され始めても,その水の利活用法が初めのうちは分からず,その習熟に年月を要するということである。また,事業完了後の水利用による営農形態の変化と土地利用形態の変化,特に,施設型農業への変化に伴い降雨遮断ハウス面積が急増し,それに伴う水利用の実態が変化している。更に土壌条件・気象条件によって地域特有の水利用の多目的化が進展し,水管理日報を詳細に検討するとそれぞれの水利用の目的によって,利用時間帯の特徴が明らかになった。このことは潅漑計画,潅漑施設の設計上重要な水利用の実態である。この様な実態を考慮した農業水利施設の水管理が必要である。 また,地域水文・水環境の変化によって気象環境がどの様に変化しているか,その実態を過去の調査資料などを収集し,解析検討した。この地域環境変化は継続調査する。 さらに,ひまわり気象衛星情報を受信可能なシステムを備品費で購入し,経験的に行われている農業用水の使用水量が気象現象の変化とどの様に対応しているかを気象衛星ひまわり画像情報との関連から研究解析した。その結果、このひまわり画像受信システムを利用すると広域の地域気象状況変化を1時間ごとに情報収集できるので,各土地改良区の水利用実態と関連づけることが可能である。従って,将来的には農業水利施設の水管理にひまわり気象衛星情報を利用することの可能性を確認できた。
|
Research Products
(1 results)