1997 Fiscal Year Annual Research Report
堕胎牛皮コラーゲン及びサケ白子DNAを資源に用いた複合型新素材の開発
Project/Area Number |
09876088
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西 則雄 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70001857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂入 信夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (60153863)
戸倉 清一 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (40000806)
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Keywords | コラーゲン / DNA / コラーゲン線維 / 横紋構造 / 堕胎牛 / サケ白子 / 高度機能性素材 / DNA-コラーゲン複合体 |
Research Abstract |
コラーゲンをDNA存在下で線維化させると、従来のコラーゲン線維とはまったく形状や物理化学的性質が異なる新しいタイプの線維が形成することを見出した。コラーゲンのみの線維に比べ非常に太く、しかも規則的な横紋構造をもつ驚異的な線維が再現性よく形成する。 これらの実験データをもとに、最終的には、このDNA-コラーゲンからなる線維やフィルムを医用材料として実用化し、廃棄されている堕胎牛の皮やサケ白子を新しい高度機能性素材として利用する道を拓くための研究を進めた。 1.DNA-コラーゲン複合体の構造解析 コラーゲンの線維化を各種DNA存在下で行い、目的に適したDNA-コラーゲン複合体の調製のための最適条件を模索した。具体的には線維化に伴う濁度の変化を測定し形成した線維の微細構造を電子顕微鏡などにより調べた。さらにDNA-コラーゲン複合体の分子レベルでの構造解析をX線散乱を用いて行う予定である。 2.DNA-コラーゲン糸、フィルムの調製とその物性の研究 紡糸機を用いてDNA-コラーゲン糸を作成し、さらにこれを用いてDNA-コラーゲンシートを調製した。またスキャット法によりフィルムを調製した。調製した糸およびフィルムについてその引っ張り強度、pH、温度に対する安定性などの物理化学的な性質を調べる予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kazumichi Iwata: "Utilization of DNA as Functional materials:Preparation of Filters Containing DNA Insolubilized with Alginic Acid Gel" Int.J.Biol.Macromol.18. 149-150 (1996)
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[Publications] Norio Nishi: "Nucleoplasmin-protamine Interaction in Sperm Nuclei" Proc.6th Akabori,Conf.(Japanese-German Symposium on Peptide Chemistry). 111-116 (1996)
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[Publications] Hidemitsu Kitamura: "DNA-alginate Complex Recognized by Autoantibodies aguinst DNA" Int.J.Biol.Macromol.20. 75-77 (1997)
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[Publications] Kazumichi Iwata: "Conformation of Nucleoplasmin and Its Interaction with DNA-protamine Complex as a Simple Model of Fish Sperm Nuclei" Int.J.Biol.Macromol.20. 171-178 (1997)
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[Publications] Hidemitsu Kitamura: "Marked Effect of DNA on Collagen Fibrillogenesis in Vitro" Int.J.Biol.Macromol.20. 241-244 (1997)
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[Publications] Norio Nishi: "The Role of Nucleoplasmin-Molecular Chaperone Proteinin the Fertilization Process" Proc.1st Int.Peptide Symp.(印刷中).
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[Publications] 西 則夫: "DNA結合蛋白質機能の合成化学的シニュレーション-特に、魚類プロタミンを中心に-" 学会出版センター, 94-114 (1996)
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[Publications] 西 則夫: "素材としてのDNA-生医学分野での利用を中心に" 高分子学会(印刷中),