1997 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光蛋白質発現法および光学的手法による超高感度インスリン検出法の開発
Project/Area Number |
09877009
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (50283362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
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Keywords | 膵β細胞 / 副腎随質クロマフィン細胞 / Nipkow Disk / エキソサイトーシス / キナクリン / 量子的放出 |
Research Abstract |
膵β細胞へGFP(green fluorescence protein)遺伝子を組込んだインスリン遺伝子の導入法と分泌顆粒の蛍光分子の高感度検出法の開発を試みたところ、後者において顕著な成果があげられた。単一分泌顆粒において、顆粒内物質と共放出される蛍光分子のリアルタイム追跡が可能になった。内分泌研究のモデル細胞である培養ウシ副腎随質クロマフィン細胞にキナクリンを負荷し、488nmレーザーで励起した蛍光をNipkowディスク走査型共焦点レーザー顕微鏡で検出し、デジタル画像処理装置で解析した。その結果、細胞膜近房には直径約300nmの高輝度蛍光スポットが多数見られ、刺激に応じてそれらの輝度値が減少するのが観察された。この変化が顆粒におけるエキソサイトーシス反応によるキナクリンの放出であることを変化速度や変化直前数秒間の動態等から明らかにできた。そして、単一顆粒における放出のダイナミクスを画像解析したところ、蛍光の変化量は18%から95%まで広く分布し、放出量は顆粒により異なることが見い出された。平均変化量は78%でこの前後10%以内に顆粒の82%が分布していた。以上の結果からクロマフィン細胞においては、全ての分泌が量子的放出ではなく、刺激に応じた多様な放出様式が存在している事が強く示唆された。また、この部分放出はエバネッセント光法においても確認できた。同法は上記の共焦点レーザー顕微鏡法と比べて退色が少なく、高S/N比であった。次年度では両法を組み合わせて、膵β細胞膜近房におけるインスリン放出のダイナミクスを詳細に検討する。
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[Publications] Susumu Terakawa,Takashi Sakurai & Konosuke Kumakura: "Exocytosis of adrenal chromattin cells observed with a video-enhanced differential interference microscope and a fluorescence microscope" Adrenal chromattin cell : archetype and exemplar of cellular signalling in secretory control,Hokkaido-University press.(in press). (1998)