1997 Fiscal Year Annual Research Report
筋運動に伴う機械的伸展刺激が細胞骨格を介して免疫担当細胞群の機能を修飾する可能性
Project/Area Number |
09877016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永富 良一 東北大学, 医学部, 助手 (20208028)
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Keywords | 単球 / 接着分子 / 機械的伸展 |
Research Abstract |
機械的伸展刺激が免疫担当細胞群の機能を修飾するか否かを探るために、今年度はIn vitroで末梢血単球に機械的伸展を加え、機能の変化が誘導されるか否かを検討した。機械的伸展はIn vivoでは、細胞間あるいは細胞-基質間接着分子を介して細胞に力を伝達すると考えられること、さらにそのメカニズムの解析まで行うことを念頭におき、モノクローナル抗体を培養単球表面上の接着分子に結合させ、さらに抗体に磁気ビーズを結合させ、永久磁石で30分間、張力を加えたのちに、機能の変化を観察した。単球機能は、細胞骨格の変化が起こる赤血球貪食反応に伴う活性酸素放出量を指標とした。刺激を行った接着分子は、CE49d、CD54、CD29であったが、Integrin common β chainであるCD29に伸展刺激を行った場合のみ、活性酸素放出量の増加がみられた。またこの効果の発現は、伸展刺激後12時間経過後であり、蛋白合成を伴う可能性が示唆された。ただしCD29に磁気ビーズ抗体を結合させると、磁気ビーズ自体が貪食されるのにともない。活性酸素の産生がみられることから、現在より粒子サイズの小さい磁気ビーズを使用し、ベースラインの上昇を極小にすべく実験を進めている。また磁気ビーズの貪食が最小限になり次第、蛋白合成阻害、m-RNA抽出によるc-DNA libraryの作成を行い、解析を進めていく予定である。
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