1997 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアフィニティを利用する生理活性物質の新規微量定量法の確立
Project/Area Number |
09877017
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清水 宣明 金沢大学, 工学部, 教授 (50019634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川西 琢也 金沢大学, 工学部, 助手 (80234087)
林 良茂 金沢大学, 工学部, 教授 (60019750)
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Keywords | バイオセンサ / バイオアフィニティ / 水晶振動子 / 抗体 / 固定化 / マイクロバランス |
Research Abstract |
本研究の目的は、ある特定の行動時に作動する神経回路において、どの様な生理活性物質がどのように作用しているかを定量的、かつ経時的に分析するため、無麻酔・無拘束の動物の行動時に大脳の特定部位あるいは血中の神経伝達物質、神経ペプチドなどの動態を測定する方法を確立することにある。生体内には酵素、抗体などをはじめとする特異的分子認識機構を有する生体物質が多数存在するが、化学センサの識別部位にこれら生体物質の優れた分子認識機構を利用すれば、高選択性を有する高感度バイオセンサシステムを構築できる。本研究では(1)水晶振動子を高感度マイクロバランスとして利用するための理論解析と特性評価及び高感度化、(2)抗体などの生体物質をいかに効率よく、また活性を維持して固定化するかを追及する。 水晶振動子を用いた起微小量測定技術の開発 AT-cutの水晶結晶板上に金を蒸着し、ピエゾ圧電動果を利用した水晶振動子センサを作製した。この水晶振動子の電極の質量変化と基本振動数との間には比例関係が成立することから、水晶振動子をマイクロバランスとして利用すれば、ナノグラムオーダでの微量成分の検出が可能となる。本年度は以下の点について検討した。 (1)溶液密度の影響、(2)温度と基本振動数の関係、(3)塩濃度と基本振動数の関係、(4)pHと基本振動数の関係 抗体の固定化 本研究では共有結合法による固定化を検討した。水晶振動子の金電極表面にチラミンを用いてアミノ基を導入し、このアミノ基にグルタルアルデヒドを反応後、アミノ基とアルデヒド基との間にシッフ塩基を形成させた。このチラミン・グルタルアルデヒド複合体に抗体を反応させると未反応のアルデヒド基と抗体のアミノ基との間にもシッフ塩基が形成され抗体は自然吸着よりはるかに効果的かつ安定に電極上に固定化できた。
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