1997 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質に対する遅延型皮膚アレルギーにおけるサイトカインの発現とその役割の評価
Project/Area Number |
09877074
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松下 敏夫 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10022790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胥 宝会 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00264408)
青山 公治 鹿児島大学, 医学部, 講師 (70117472)
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Keywords | 遅延型皮膚アレルギー / サイトカイン / mRNA / RT-PCR / in situ hybridization |
Research Abstract |
本年度では、標準感作性物質であるOxazoloneを被検物質を用いて、Balb/Cで接触過敏症を誘発し、接触アレルギーの誘発段階においてサイトカインであるIL-18の遺伝子をRT-PCR法およびin situ hybridization法を用いて検索した上、当該遺伝子の発現と接触アレルギーとの関連を検討した。まず、誘発段階のIL-18mRNAの発現量を定量的なRT-PCR法を用い計時的に検討した結果、接触皮膚アレルギーのマウス皮膚ではIL-18mRNAの発現が誘発後の12時間より有意に増加したことが明らかにされた。その発現は24時間にピークに達し、その後減少した傾向を示した。それに反し、SDSによる刺激性皮膚炎マウスと溶媒で処置したマウスとの皮膚では、IL-18 mRNAの発現に関しほとんど変動は見られなかった。つぎに、in situ hybridization法にてIL-18 mRNAの遺伝子発現を検討した。炎症の真皮膚ではIL-18 mRNAを発現する細胞が多数に認められたが、表皮層ではほとんど見られなかった。また、IL-18 mRNAの発現が炎症細胞浸潤にも関連したことが分かった。さらに、炎症皮膚におけるI-18 mRNAの発現量マウス耳介肥厚反応との間に有意な正の相関が認められた。以上より、接触アレルギーの皮膚におけるIL-18増加は化学物質による遅延型皮膚アレルギーの発症に重要な役割を果たしていると考えれている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Xu BH, Aoyama K et al: "Expression of cytokine mRNAs in the draining lymph nodes following contact sensitivity in mice" Toxicology Methods. 7・2. 137-148 (1997)
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[Publications] Xu BH, Aoyama K et al: "Interleukin-12 enhances contact hypersensitivity by modulating the in vivo cytokine pattern in mice" Journal of Interferon and Cytokine Research. 18・1. 23-31 (1998)
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[Publications] Xu BH, Matsushita T: "Encyclopaedia of occupational health and safety" International labour office, 2 (1997)