1997 Fiscal Year Annual Research Report
阪神大震災による死亡者の死亡状況とその社会的関連要因の検討
Project/Area Number |
09877084
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
笠松 隆洋 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (20073695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 隆之 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (90285354)
沼本 教子 神戸市看護大学, 看護学部, 助教授 (00198558)
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Keywords | 震災 / 死亡 / 人口動態調査 / 社会的要因 / 物的被害 / 死因 |
Research Abstract |
平成7年1月に発生した阪神大震災は、これまでになかった都市型の震災であったことから、都市における救急医療対策、防災対策上で検討しなければならない多くの課題を与えた。 阪神大震災の中でも被害の大きかった神戸市において、震災による死亡状況を、性・年齢別の基本調査に加えて、死亡原因別死亡状況を、年齢階級別、死亡場所(病院、診療所、自宅等)別、傷害発生場所(市区)別などとの関連で検討するために、平成9年度においては、市役所、消防局、図書館に赴いて震災に伴う物的被害状況に関する資料の収集を行った。その結果、地震の概要、震災に伴う建築物、医療機関の被災などの被災状況を把握することができた。資料を収集するなかで、震災後の混乱時において罹災調査等の情報を得るための体制づくりには相当な困難があったことを知ることができた。なお、今後大学研究機関等に赴き、物的被害状況に関する資料を収集する予定である。 一方、震災による死亡状況に関する資料の収集については、指定統計調査調査票(人口動態調査死亡票)の使用承認を得るために、厚生省大臣官房統計情報部を通じて総務庁長官宛に使用承認の申請書を提出中であったが、平成10年3月3日付けで調査票の使用承認の官報告示があった。今後、人口動態調査死亡票の中から「震災による死亡」と記載されたものを抽出する作業に取りかかる。そのデータをもとに、前述した死亡状況に係わる項目の解析を行うとともに、物的被害状況との関連について検討を行う。
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