1997 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経機能異常症としてのサルコイドーシスに関する研究
Project/Area Number |
09877117
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田村 尚亮 順天堂大学, 医学部, 講師 (10188435)
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Keywords | MIBG心筋シンチグラム / パワースペクトル解析 / 自律神経受容体 / β-secretion / β-sensitivity |
Research Abstract |
サルコイドーシス患者に^<123>I-MIBG心筋シンチグラム所見とHolter心電図でのフーリエ解析による周波数分析、薬剤負荷試験の成績を総合的に解析することにより、交感神経・副交換神経の機能亢進・低下を検討している。肉芽腫性疾患として定義されるサルコイドーシスの病態、特に心病変の発症に交感神経機能異常が関与する事を明らかにする事が本研究の最大の目的である。 1.心臓における交感神経異常の検出:^<123>I-MIBG心筋シンチグラムのBull's eye法による定量的解析によりES(病変の拡がりを反映)が0.15以上、SS(病変の程度を反映)が3以上を示す症例を明らかな異常群として判定したところ現在までに約40%の症例がこの群に入った。Holter心電図モニターを定期的に続けており逐次フーリエ変換を用いたパワースペクトル解析によってR-R間隔の変動を検定している。一部の症例ではサルコイドーシスで特徴的な夜間の房室ブロッコ頻発に一致して、交感神経活動度の指標の低下が観察されている 2.自律神経受容体の感受性の評価:狭心症その他の明らかな心疾患の存在を認めない40才未満のサルコイドーシス症例20例に対して厳重なモニターの下に鹿児島大学田中らの方法に準じた自律神経受容体の感受性の評価を行った。現在得られたデータについて解析中であるが、多くの症例で、健常者の反応に比してアトロピン、イソプロテレノール、プロプラノロールなどの薬剤を投与に対する心拍数、血圧の変動の幅が大きかった。これは交感神経によるβ-secretionの低下と交感神経感受性(β-sensitivity)の亢進を示す所見と考えられ、その意義付けについて検討中である。
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