1998 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経機能異常症としてのサルコイドーシスに関する研究
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09877117
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田村 尚亮 順天堂大学, 医学部, 講師 (10188435)
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Keywords | MIBG心筋シンチグラム / 心室頻拍 / フーリエ解析 / 自律神経受容体 |
Research Abstract |
昨年度に行った研究に関して、更に症例数を増やして検討を続けた。すなわち、サルコイドーシス患者に^<123>I-MIBG心筋シンチグラム所見とHolter心電図でのフーリエ解析による周波数分析、薬剤負荷試験の成績を総合的に解析した。交感神経・副交感神経の機能亢進・低下が上記の検査所見とどのように関連するかを明確にし、肉芽腫性疾患として定義されるサルコイドーシスの病態、特に心病変の発症における交感神経機能異常の関与を明らかにする事を目的として検討した。その結果、以下の所見を得た。 1. 心臓における交感神経異常の検出:^<123>I-MIBG心筋シンチグラムのBull's eye法による定量的解析で異常値を示す症例と正常範囲内であった症例に関して、Holter心電図モニター所見をフーリエ変換を用いたパワースペクトル解析によってR-R間隔の変動を比較検討した。異常群では夜間の房室ブロックの頻発が特徴的に認められ、交感神経活動度の指標の低下を示す例が過半数であった。 2. 自律神経受容体の感受性の評価:鹿児島大学田中らの方法に準じた自律神経受容体の感受性の評価を行った。その結果、健常者の反応に比してアトロピン、イソプロテレノール、プロプラノロールなどの薬剤を投与に対する心拍数、血圧の変動の幅が大きい所見を得た。これは交感神経によるβ-secretionの低下と交感神経感受性(β-sensitivity)の亢進を示す所見と考えられた。 以上の所見を総合して、サルコイドーシスには交感神経機能異常を背景に持つ症例が多数存在し、重篤な不整脈発生に寄与する因子として注目すべき病態であることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Oh,J.,N.Tamura,et al.: "Mutation analysis of patients with Hermausky-Pudlak Syndrome: a frame-shift hot spot in the HPS gene and apparent locus helerogeneity" Am.J.Hum.Genet.62. 593-598 (1998)
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[Publications] 木戸健治 他: "Hermansky-Pudlak症候群:責任遺伝子と線維化肺" 現代医療. 31. 497-500 (1999)