1999 Fiscal Year Annual Research Report
カイニン酸脳傷害に伴う脳内遺伝子発現に関する研究-スクリーニングと同定-
Project/Area Number |
09877120
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
鬼頭 昭三 兵庫大学, 附属研究所, 教授 (00010140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新郷 明子 兵庫大学, 附属研究所, 講師 (50309499)
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Keywords | estrogen / カイニン酸 / 海馬 / 大脳皮質 / cDNA library / shot-gun PCR |
Research Abstract |
本研究では、大量のestrogenの慢性投与によって発現、または新たに出現した遺伝子をクローニングし、その生理学的意義を検討することを目的とした。estrogenという内因性のsex hormoneの大量投与が誘導する遺伝子を明らかにすることは、estrogenと脳機能の関連を考える上で重要である。 神経細胞毒として知られているカイニン酸もestrogenも共にラット脳内にIGF-1 mRNAの発現を促すことが従来の実験によって明らかにされている。そこでカイニン酸とestrogenのそれぞれの場合について検討を進めた。 Wistar系雄性6週齢ラットに、β-estradiol 1mg/kgを連続7日間腹腔内投与した。β-estradiol投与群及び非投与群(コントロール)の海馬及び大脳皮質よりmRNAを抽出し、cDNA libraryを作製した。probe DNAは投与群及び非投与群の各々のcDNA libraryよりshot-gun PCRで調製したものを用いた。投与群及び非投与群との間の比較はprobeの違いで選別され、screeningされるのは投与群のcDNAである。hybridizationは、non-radioactive methodで行った。また、カイニン酸投与ラットについては、2種の濃度のカイニン酸(6mg/kg、12mg/kg)を腹腔内に1回投与したラットを用いて、実験を進め、それぞれについて、いくつかのクローンを得た。 カイニン酸投与群からのクローンひとつからは、カイニン酸受容体とホモロジーの高い結果を、又、estradiol連続投与群からのクローンからは、estrogen受容体とホモロジーの高いものと、somatostatinとホモロジーの高いものを得た。 共に他にも配列未決定のクローンを得ている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kito,S.: "Nicotine and estrogen crosstalk in the brain as to IGF-1 mRNA expression"Neurochemical Research. Vol24,No7. 923 (1999)
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[Publications] Shingo,A,S.: "Estrogen works as a repair system in brain by inducing IGF-1 mRNA"Neurochemical Research. Vol24,No7. 948 (1999)
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[Publications] Kito,S.: "Nicotine-estrogen crosstalk in brain with regard to IGF-1 mRNA expression"Society for Neurosciense Abstracts. Vol25,part2. 2027 (1999)
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[Publications] Shingo,A,S.: "How does estrogen induce IGF-1 mRNA expression in neuron?"Society for Neurosciense Abstracts. Vol25,part2. 2027 (1999)
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[Publications] 鬼頭 昭三: "Neuronにおけるnicotine-estrogen機能相関に関する研究"平成10年度喫煙科学研究財団研究年報. 638-643 (1999)