1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経-免疫系のクロストーク機構解明に関する研究-毛細血管拡張性失調症(ataxia telangiectasia)をモデルとして-
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09877150
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
前田 弘子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80209387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡藤 隆夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40266599)
南谷 幹之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00229775)
太田 秀臣 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10112814)
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Keywords | 毛細血管拡張性失調症 / 遺伝子導入 / アンチセンス / アポトーシス / シグナル伝達 |
Research Abstract |
ataxia telangiectasia(AT)は小脳失調、皮膚・球結膜の毛細血管拡張、易感染傾向を主徴とする常染色体劣性遺伝性疾患である。近年、その責任遺伝子(ATM)の一部がクローニングされたが、正常細胞におけるATMの機能は不明である。本研究ではATMがPI-3キナーゼとアミノ酸配列において相同性を有すること。さらにATにおいては小脳プルキンエ細胞の変性・脱落が認められることから、ATはNGF/NGFRカスケードの障害を基盤とした神経・免疫系細胞のクロストークの障害とそれに引き続く細胞のアポトーシスによるとの仮説を立て、これを実験的に証明することを目的とした。 研究成果:1.AT遺伝子アンチセンスRNA発現ベクターの作成:AT遺伝子のアンチセンスRNAを神経細胞、特にプルキンエ細胞特異的に発現する発現ベクター作成を試みた。これにはATM遺伝子のPI-3キナーゼドメインを含むミニジーンを逆方向で、neuron-specific enolaseあるいは小脳プルキンエ細胞に特異的遺伝子L7/PCP2のプロモーターの下流に接続した。尚、発現ベクターには核移行シグナルとそれに続くβ-Gal遺伝子(lac Z)を同時に組み込んだ。2.AT発現抑制に伴う、in vitroでの神経細胞のNGF応答性の変化:アンチセンス発現ベクターをNGF受容体発現神経細胞あるいはPC12細胞内へ導入するにあたり、神経細胞内でのNGFに伴うNGF/NGF受容体シグナル伝達系を検討した。用いた神経細胞はNGF投与に伴って、immediate-early response遺伝子の活性化ならびにPI-3キナーゼの活性化を引き起こした。この細胞に前述のベクターを導入し、ATMの抑制がNGFの作用機序、特にPI-3キナーゼの活性抑制から、神経細胞のアポトーシスを誘導するか否かを検討中である。3.ATの培養線維芽細胞における、各種神経栄養因子の応答性を検討することから、ATにおけるPI-3キナーゼの機能異常の有無を検討することも必要と考えられた。
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