1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877153
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小林 陽之助 関西医科大学, 医学部, 教授 (50034062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高屋 淳二 関西医科大学, 医学部, 講師 (80247923)
谷内 昇一郎 関西医科大学, 医学部, 講師 (70171832)
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Keywords | 好中球走化能 / フローサイトメトリー / 好中球機能 / ケモタキセル / Boyden法 |
Research Abstract |
目的:好中球走化能を評価する方法の多くは、その手技が複雑であり、検者によって結果が異なるという客観性に欠ける側面があった。膜に付着した細胞数を算出するという従来の方法ではなく、膜を通過した細胞数を定量的に算出し、客観性と簡便性とを有する方法の確立をめざした。方法:材質、厚さ、孔サイズ、単位面積当たりの孔数(孔密度)の異なる各種膜を用いて一定時間内に走化因子側(陰性対照側)に膜を通過した好中球数をFlow-Countを用いてフローサイトメトリーで測定した。 結果:検討した各種膜で、移動した好中球数を定量的に測定しえた。我々の方法はフローサイトメトリーで計測するために微量の細胞数でも測定可能であり、検者間で異なることはない。また膜を通過した細胞を採取でき、今後これらの細胞を用いて諸機能を検討することも可能になると期待される。しかし、既成の膜は同一の孔サイズであっても、密度・材質・厚さ等が各メーカーにより異なるため、製品間で移動する細胞数が大きく異なる。このため、走化能を評価するだけではなく走化後の好中球機能の検討の内容により、目的に応じた至適な膜を選択する必要がある。これまでの検討では、走化能測定には孔サイズ8μmのケモタキセルが最適で、いわゆるrandom migrationを最小限にとどめるためには孔サイズ2μmのnucleopore(Boyden法)が最も適していることが分かった。
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