1999 Fiscal Year Annual Research Report
血液透析患者の掻痒に対するγリノレン酸の有効性とその作用機序
Project/Area Number |
09877157
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大塚 藤男 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (10092157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤沢 裕志 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20231566)
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Keywords | 血液透析 / γリノレン酸 / 痒み / セラミド |
Research Abstract |
本年度は、同意を得た血液透析患者5名にγリノレン酸を10カ月の長期投与し、安全性、自覚的な痒みの改善度、角層セラミド量の変化について検討した。 また、同意を得た3名のγリノレン酸非内服血液透析患者の角質セラミド量も測定した。 研究計画 1.投与開始から、1カ月ごとに血算、生化学検査を実施し、吐き気、嘔吐、腹満感、食欲、下痢などの自覚症状の有無をみて安全性を確認した。 2.内服前を10として、1,2,3,10ヶ月後の痒みの程度を10段階評価した。 3.角層をテープストリッピングして、セラミド量を薄層クロマトグラフィー上に展開し、半定量解析をおこなった。 結果 1.血液学的な異常を示した患者はいなかった。自覚的には、腹満感1例、便通がよくなる例が1例あった。 2.痒みの程度は1カ月後には7.31、2カ月後には6.20、3カ月後には4.36と低下し、10カ月後もほぼ痒みは半減状態であった。 3.内服10カ月後には角層セラミド量は対照群と比較して有意な上昇、低下をみなかった。γリノレン酸による血液透析患者の痒みの軽減効果は角層水分量の増加が関与することが既に示されているが、少数例の半定量試験では角層のセラミド量の増減とは関係しない可能性がある。
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Research Products
(1 results)