1997 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞増殖と微小環境分布の相関及びその腫瘍内空間的不均一性に関する研究
Project/Area Number |
09877173
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平岡 真寛 京都大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 啓資 京都大学, 医学研究科, 講師 (20225858)
柴田 徹 京都大学, 医学研究科, 助手 (40293857)
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Keywords | 腫瘍内微小環境 / p53 / アポトーシス / 低酸素 / 低pH / 低栄養 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
放射線治療において腫瘍内微小環境因子は腫瘍の放射線感受性を決定する重要な因子である。本研究では腫瘍内の種々な微小環境因子と腫瘍の増殖に関係する内的因子との関連を総合的に捉えようとするものである。本年度はp53のステ-タスの違いによる種々の環境因子の細胞増殖および放射線感受性への影響を検討した。 Bell(wild-type p53)、MeWo(mutated p53)、4197(wild-type p53)、4451(mutated p53)の4種のヒト腫瘍細胞を各種環境条件下(通常培地(FCS20%,pH7.3)、低栄養(FCS0.5%)、低pH(pH6.5)、低酸素)に培養し、細胞増殖、Apoptosis(Annexin V/Pl二重ラベルflowcytometry)、放射線感受性(colony assay)の変化を求めた。 G1/S blockは低pHにおいては一般的に認められ、低栄養においてはMeWoでは見られず、4197では顕著に認められ、低酸素のMeWoには認められた。S_0細胞の蓄積は、低pHのMeWoと4451、低酸素のMeWo、及び低栄養の4197に見られた。Apoptosisは低栄養のBell、MeWo、4451に、低pHのBell、4197に比較的多く発生した。低栄養における放射線感受性の増加は4451にのみ認められ、低pHによる増感はMeWoと4451において顕著であった。 以上により、wild-type p53の腫瘍においては、低栄養によって増殖が阻害される一方、低pHによっては増殖は阻害されにくく、Apoptosisが多く誘導される割に放射線感受性は変化しない。それに対してmutated-type p53においては、低栄養によっても増殖は続き、Apoptosisの誘導が顕著になる一方、低pHによって増殖は抑制され、Apoptosisは少ない割に放射線に対して増感される。すなわち、低栄養と低pHはまったく異なるメカニズムで細胞に影響するが、いずれもp53statusに依存していると考えられる。S_0細胞の蓄積とApoptosisとの関連は否定的であり、また、少なくとも本研究の条件下では、腫瘍微小環境は、Apoptosisよりも細胞周期分布を介して放射線感受性に影響することが示唆された。今後、腫瘍組織内の微小環境の分布に、研究を継続発展させる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 笹井啓資、渋谷景子、平岡真寛: "臨床応用可能なプレデイクテイブ・アッセイ" 癌の臨床. 43(2). 163-167 (1997)
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[Publications] Sasai,K., Murata,R., Hiraoka,M., et al.: "Radiation therapy for ocular choroidal neovascularization(Phase I/II study):Preliminary report" Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.39(1). 173-178 (1997)
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[Publications] Murata R., Nishimura Y., Hiraoka M.: "An anti-angiogenic agent(TNP-470)inh1bited reoxygenation during fractionated radiotherapy of murine mammary" Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.37. 1107-1113 (1997)
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[Publications] Masunaga S., Ono K., Hiraoka M., et al.: "Reduction of hypoxic cells in solid tumours induced by mild hyperthermia:special reference to differences in changes in the hypoxic fraction between total and quiescent cell populations" Br.J.Cancer. 76. 588-593 (1997)