1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877178
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
谷川 昇 琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (90227215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 良和 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (90252866)
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Keywords | 血管塞栓 |
Research Abstract |
新しい血管塞栓物質の開発を目的に基礎実験を施行した。すなわち、金属固有の電位を利用して異種の金属を組み合わせることにより血管内で電位を生じさせ、その電位により血栓形成を促し血管を閉塞させようとする試みである。基礎実験として、各種の金属の生理食塩中での金属固有の電位を測定した。その結果、コバルト:1.81V、白金:1.50V、銀:0.80V、ステンレス鋼:-0.09V、チタン:-0.37V、クロム:-0.41V、タンタル:-0.81Vであった。しかし、これらの金属は、生理食塩中では金属の表面に徐々に酸化被膜を形成し、電位は正の方向に傾き反応が低下した。 血管内で実際に使用可能な血管塞栓用コイルの作成のため、さまざまなデザインの金属コイルを作成した。すなわち、2種類の金属の円筒を作成し蒸着させたもの、2種類の金属の平板を蒸着させたもの、および、円筒状の金属に他種の金属線を螺旋状に巻き付けたものを作成し、血管造影用カテーテル中での通過性を検討した。その結果、円筒状の金属に他の金属線を螺旋状に巻き付けた構造のものがカテーテル中での通過性は最も良好であった。以上の結果および金属の特性より、直径0.05mmの白金線の半面に厚さ3μmのクロムを蒸着させた金属線を作成し、この金属線を螺旋状に巻き上げ血管造影用カテーテル内を通過可能な形状の金属コイルを作成した。今後は動物実験によりこれらの金属コイルを留置した際の塞栓効果および生体反応を観察する必要がある。
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