1997 Fiscal Year Annual Research Report
大腸全摘後のQOL向上をめざした空腸嚢肛門吻合術の有用性の検証と臨床応用
Project/Area Number |
09877239
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松野 正紀 東北大学, 医学部, 教授 (80004737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 浩平 東北大学, 医学部, 助手 (20271900)
舟山 裕士 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50192315)
内藤 広郎 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90180223)
佐々木 巌 東北大学, 医学部, 助教授 (60125557)
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Keywords | 大腸全摘術 / 空腸肛門吻合 |
Research Abstract |
1)研究方法 12頭の雑種成犬(当初ビ-グル犬の予定であったが、購入価高騰につき雑種犬となった)を用いて大腸亜全摘後6頭にまず通常のIleal Pouch(IP)作成した後IPと直腸を端々吻合した(IP群)。他の6頭は小腸中央部で切離し、口側の空腸を用いてJejunal Pouch(JP)をIPと同じ長さで作成して直腸と端々吻合する。JPの口側端から10cm口側にnuromasucular bridgeを作成し、この部位の空腸とJPの間に回腸を間置した(JP群)。両群の消化管各部位に筋電図測定用銀電極を漿膜面に逢着した。pouch用量、compliance、静止圧を測定するために肛門からballon付カテーテルを挿入しelectrical barostatおよび圧センサーと接続した。pouchの筋電図測定時は肛門からカテーテルを挿入して、Motility Indexを測定した。さらにそれぞれのpouch内の細菌叢および組織学的変化についても検索した。 2)研究成績 JPはIPに比較して有意に平均最大容量が大きく、静止圧は低値を示した。pouchの口側で観察されたMMCのPHase3では19%、JPでは88%がpouchに伝搬した。MIはJPがIPに比して高い傾向がみられた。pouch内の細菌数、細菌叢は両群間で有意さがみられなかった。また、両群とも明らかな組織学pouchitisの所見は認められなかった。 3)研究の中間結論 JPはIPに比較して静止圧が低く、平均容量が大きいことから良好な排便機能が得られる可能性が示された。
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