1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877241
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤石 隆 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (60191847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐山 淳造 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60292322)
宮田 剛 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60282076)
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部, 講師 (20192106)
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Keywords | 食道癌 / 悪性化因子 / Magnetic Separation System / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
本研究では食道癌の悪性化(特に転移能や高浸潤性の獲得)に寄与する因子、特に、転移能獲得に伴い、新たな発現または消失する遺伝子をクローニングすることを目的とする。方法は、食道癌の早期リンパ節転移巣や他臓器転移巣より抽出したpoly(A)^+mRNAと正常食道上皮より抽出したpoly(A)^+mRNAの間で、Magnetic Separation Systemを用いてsubtractionし、転移癌組織において新たに発現あるいは消失しているmRNAをクローニングすることによる。 現在までに25例の食道癌手術症例で、切除標本より食道癌原発巣および正常食道粘膜を採取した。その内8例で、リンパ節転移巣も採取した。それぞれの組織よりpoly(A)^+RNAを抽出精製した。5例の正常組織及び原発巣のpoly(A)^+RNAをtemplateにBiotinylated Oligo(dT)をprimerとしてcDNAを作成し、このcDNAを癌転移部のpoly(A)^+RNAと反応させた後Streptavidin coated Paramagnetic Particlesに結合しmagnetで吸着分離することによりsubtractionを行った。理論的にはこのsupernatantに、転移能に特異的なpoly(A)^+RNAが存在するはずである。現在、この分離されたsupernatant内のpoly(A)^+RNAをクローニングベクターに組み込み、クローニングを試みている。しかし、そのクローニング効率は、まだ満足出来るまでに至らず、subtractionするpoly(A)^+RNAの比率等について、もう少し検討する必要があると思われる。
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