1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877258
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
高尾 仁二 三重大学, 医学部, 助手 (30263007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並河 尚二 三重大学, 医学部, 助教授 (50024716)
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Keywords | 肺移植 / 慢性拒絶反応 / 気道閉塞性病変 / IL-2(インターロイキンー2) / ラット / 大網内気管移植 / CyA(サイクロスポリン) |
Research Abstract |
目的;ラットでの肺移植後閉塞性細気管支炎(OB)発生モデルの作成。 実験;『CyA投与による生着移植肺に対してIL-2を投与し、拒絶反応を惹起すれば、上記モデルが作製可能である』との仮説の検証の為、ラット大網内気管移植(異系)モデルで気道閉塞性病変に対するCyAとIL-2投与の影響を検討。【実験1】BN(RT1^n)→LEW(RT1^1)の大網内気管移植後2, 3日目にCyA 25mg/kgを筋注。術後経時的に移植気管の組織像を検討。【結果1】気管周囲単核球侵潤は、移植後2-3週をピークに漸減。気管内腔は、術後4週目より線維性閉塞を認めた。気管壁肥厚は術後4ヶ月でも認めない。【実験2】実験1に術後4〜28日目までCyA 5mg/日,筋注を追加。IL-2投与群は、術後2、3週目にrIL-2を9万単位/日、5日間を2ク-ル腹腔内投与。【結果2】CyA単独群で、術後8週目(CyA中止4週後)に、気管膜様部肥厚による気管内腔の部分閉塞を認めた。IL-2投与群で、術後4週目に高度の気管周囲単核球浸潤、術後6週目に気管粘膜下の偏在性肥厚による内腔部分閉塞、術後8週目(CyA中止4週後)に完全閉塞を認めた。 結語;CyA使用の異系間ラット大網内気管移植で、IL-2の気道閉塞病変促進効果を認めた。気管周囲単核球浸潤は、気管内腔閉塞に先行し、閉塞所見の進行時期では単核球浸潤は減少しており、急性拒絶反応は気道閉塞病変の初期に、initiatorとして関与し、その後の進行には重要ではないのではないかと推測された。 平成10年度の展望 ラット同所性肺移植において、rIL-2の投与によるOB発生モデルの確立と、そのモデルを使った気道閉塞病変の発生機序の解明(集簇リンパ球の免疫染色及び、サイトカインの発現の検討)を行う。
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