1997 Fiscal Year Annual Research Report
Cyclophosphamide誘導性免疫寛容系の大動物モデルへの応用
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09877259
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富永 隆治 九州大学, 医学部, 助教授 (70136464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 幸裕 九州大学, 医学部, 助手 (90180174)
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Keywords | 免疫寛容 / キメリズム / 心臓移植 |
Research Abstract |
申請者達はこれまで、抗癌剤であるCyclophosphamide(CP)をもちいた薬剤誘導性免疫寛容の系について考案研究しその成果を報告してきた。マウスにおいては、抗原と骨髄幹細胞のsourceとして同種脾細胞を用い経静脈投与2日後200mg/kgのCPを投与することにより抗原特異的寛容状態が誘導される。ミニブタにおいても同様にして、2x10^8/kgのドナー脾細胞を静脈内投与2日後、原則として200mg/kgのCPを腹腔内投与することにより寛容状態を誘導し、Donorの心臓を異所性に移植しdonor心臓の生着延長効果を判定する予定である。本年度はミニブタのCyclophosphamide(CP)感受性の検討と手術手技について主に行ってきた。本年度はNIHミニブタは手に入りにくいので、動物業者からミニブタを購入しCP感受性の検討を行った。50,100,又は200mg/kg(各群n=3)のCPを投与し致死量の測定を行った。その結果、200mg/kgのCP量ではミニブタは死亡するものの100mg/kg以下のCP量では生存することが判明した。また、ミニブタの頚部異所性心臓移植手技については、無処置ミニブタをrecipientとしたとき、生存期間が7-16日と技術的には完成されたレベルに達したと考えている。残念ながら今年度はここまでしか実行できてないが、新年度より実際の寛容誘導実験を行う予定である。マウスにおいてIn vitro studyで解明されたEffector-Target PathwayのすべてがHuman及びPigで同様に存在することは確認されているので、ミニピッグにおいて、CP誘導性免疫寛容をMHCの異なる組み合わせで誘導する為にCP投与後のdestruction.chimerismについて検討を進めたうえで、どの段階で作用していないかを解明し、CP投与量の変更、donor骨髄細胞の投与、別の免疫抑制剤の追加など寛容誘導法のmodificationを行う予定である。
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