1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877261
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
足立 孝 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00201880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石倉 榮俊 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50277133)
神楽岡 治彦 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10177339)
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Keywords | 漏斗胸 / 遺伝子解析 / 切除肋軟骨 / 遺伝子異常 |
Research Abstract |
本年度研究目標:前年度に継続し末梢血および切除肋軟骨を用た染色体バンド配列の異常の有無を調べ、異常を認めた染色体からクーロニングした遺伝子よりDNA解析を行った。また漏斗胸患者の遺伝的背景を明らかにするため入院病歴から家族歴の検索を行った。 対象および方法:1998年7〜9月に手術目的で入院した小児漏斗胸患者4人(漏斗胸GradeIII度以上)に対して術前の白血球と切除肋軟骨を用い染色体検索を行った。対象年齢は3〜6歳で、男女比2;2。前年度同様に右側第V肋軟骨末梢側成長点約1cmを標本とし、染色体解析も同様にファイブロブラストをPHA未添加で2週間前後培養しGバンド検索を行った。遺伝背景については過去の漏斗胸患者カルテより30例に対し家族歴の検索を行った。 結果:今回の4症例では白血球および切除肋軟骨でのGバンドによる遺伝子バンド検索ではいずれも異常は認められなかった。前年度に肋軟骨で染色体バンド異常を認めた46XY,t(3:8)(q21:p23)の症例ではクローニングした遺伝子よりDNA解析を行ったが異常を明らかにできなかった。家族歴からの検索では明らかに同一家系内での発生が多かった。 考案および今後の研究方針:本年度の研究では小児漏斗胸症例が4例と少ないこともあり末梢血および肋軟骨での遺伝子異常は認められなかった。昨年度から計15例に対し検索したが、現在までに異常例は1例のみである。その1例でクローニングした遺伝子のDNA解析を行ったが漏斗胸での異常性を明らかにできなかった。家系的な遺伝背景は家族歴より強いと考えられたが遺伝形式確定には至っていない。来年度はさらに症例を積み重ね、DNA解析については方法論も再考する必要があると思われ専門家の指導も仰ぎ検討を加えたい。
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