1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877261
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
足立 孝 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00201880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石倉 榮俊 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50277133)
神楽岡 治彦 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10177339)
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Keywords | 漏斗胸 / 遺伝子解析 / 切除肋軟骨 / 遺伝子異常 |
Research Abstract |
本年度研究目標:末梢血では前年度までの全例で異常を検索できなかったため、今年度は切除肋軟骨のみによる染色体バンド配列異常に対して検索し、異常バンドからクーロニング、DNA解析を目標とした。漏斗胸患者の家族歴における統計学的解析を試みた。 対象および方法:遺伝子研究においてインフォームドコンセントが必要となり2例のみ施行。1999年7月に漏斗胸手術を行った2例で、いずれも4歳男児(漏斗胸GradeIII)であり右第五肋軟骨を用いて染色体検索をした。また前年までに得られた染色体からクローニングした小児漏斗胸10例に対してDNA解析を実施した。漏斗胸患者遺伝背景については前年度家系調査を行った30例中よりの15例に対し家族歴から患児出生時の両親の年齢や体重、身長などについて同数の他疾患患者と比較し多変量解析を行った。 結果:手術例2例ではその1例に染色体異常を認めた。染色体バンド異常は46XY,inv(9)(p11;q13)を認めた。この症例に対しクローニングした遺伝子よりDNA解析を行ったが異常は認めなかった。また10例のDNA解析でいずれも異常は認めなかった。多変量解析の結果はいずれのパラメーターも統計学的有意差はみられなかった。 考案および研究結果:本研究では平成9年度から今年度までの3年間に計17例の漏斗胸患者に対し遺伝子検索を行い、染色体バンド異常を認めたのは2例であった。DNA解析をバンド異常の2例および、異常のみられなかった10例行ったが漏斗胸での異常性も明らかにできなかった。遺伝背景は強いと考えられたが遺伝形式確定には至らず、他疾患と比較しても特異性を見いだせなかった。漏斗胸では遺伝因子的な異常は存在すると考えられるが、本研究時点では確定できなかった。
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