1997 Fiscal Year Annual Research Report
靭帯組織の力学的特性の質的・量的解析-移植靭帯の劣化のメカニズムと関与する因子の解明-
Project/Area Number |
09877289
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
縄田 耕二 鳥取大学, 医学部, 助手 (90252858)
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Keywords | 靭帯 / 力学的特性 / 劣化 |
Research Abstract |
1、実験系の作成 (1)力学試験 万能試験機を設置し、引っ張り試験のソフトウエアの条件設定を行った。骨付き膝蓋腱とラットのTail Tendonを的確に把持できる金属グリップを作成した。 (2)靭帯の水分含量を変化させる実験系と関節炎モデルの2つの実験系を作成した。(詳細下記) 2、靭帯組織の力学的特性に影響を及ぼす因子の検討 以下の2つの実験系において靭帯組織の力学的持性に影響を及ぼす因子を検討した。 (1)組織水分含量 靭帯組織の水分含量がコラゲナーゼによって引き起こされる健変性に影響を及ぼすか否かを検討した。家兎骨付き膝蓋靭帯を実験材料とし、異なる濃度のsucroseを含む培養液を用いて靭帯の水分含量を変化させた。各培養液に30U/ml bacterial collagenaseを添加し培養した後、引っ張り試験を行った。 靭帯の水分含量はsucroseの濃度に依存して低下した。靭帯の水分含量と最大破断強度には有意の負の相関が認められた(r2=0.515;p<0,0001)。 (2)関節炎 コラーゲン関節炎ラットを作成し、関節炎が靭帯の強度劣化に及ぼすか否かを検討した。 初期実験:コラーゲン関節炎ラットの作成と、関節炎の経時的推移の観察 7ヶ月齢SD雌ラットを実験材料とし、ウシ2型コラーゲンで感作した。初回投与後1週間で追加投与を行い、コラーゲン関節炎ラットを作成した。 関節炎の発症率は16匹中10匹(62.5%)で、感作後3〜5週で関節炎はピークとなり、以後徐々に関節炎は消退し、6週以後は関節強直となった。 今後、本実験で力学試験と病理組織学的検索を行い関節炎が靭帯の強度劣化に及ぼす影響を検討する予定である。
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